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機能強化型訪問看護ステーションとは?管理療養費1・2・3・4の要件と金額【令和8年度改定対応】

訪問看護 機能強化型(機能強化型訪問看護管理療養費1、2、3、4について)

地域包括ケアの中核を担う訪問看護において、機能強化型ステーションへの移行は、今後の運営を左右する重要な戦略のひとつです。2025年、さらには2040年に向けて在宅療養者の増加が確実視される中、高度なケアへの対応力と持続可能な体制構築が求められています。

令和8年度の診療報酬改定では、精神科訪問看護を担うステーションを評価する機能強化型訪問看護管理療養費4が新設され、月の初日の額も全区分で引き上げられました。月の2日目以降の管理療養費も作り替えられています。

本記事では、機能強化型訪問看護管理療養費1〜4の要件と金額を令和8年度改定の内容にあわせて整理し、体制整備、届出の実務対応、経営的なメリットまで、管理者・経営者視点で解説します。

著者名

執筆者

株式会社UPDATE 小瀨 文彰

株式会社UPDATE 代表取締役(看護師・保健師・MBA) ケアプロ訪問看護ステーション東京にて新卒訪問看護師としてキャリアスタート。その後、訪問看護の現場・マネジメント経験の他、薬局や訪問看護運営するスタートアップ企業で40拠点・年商65億規模の経営を行い、上場企業へのグループインを実現。現在は医療職マネジメント人財を育成するためマネジメントスクールを運営中。

■経歴
2013年 慶應義塾大学 看護医療学部 卒業
2013年 ケアプロ株式会社入社
2019年 株式会社UPDATE(旧:ヘルスケア共創パートナー株式会社) 創業 代表取締役(現職)
2021年 GOOD AID株式会社 取締役(事業譲渡により退任)
2023年 セルフケア薬局 取締役(吸収合併により退任)
2023年 まちほけ株式会社 代表取締役(事業譲渡により退任)

■得意領域
医療系事業の組織マネジメント
教育体制構築
採用戦略・体制構築
教育体制構築
新卒訪問看護師の育成
管理職の育成

■保有資格・学位
看護師
保健師
経営学修士(MBA)

訪問看護管理療養費とは

訪問看護管理療養費は、訪問看護そのものへの対価である訪問看護基本療養費とは別に、ステーションの管理体制に対して支払われるものです。安全な提供体制が整っていること、訪問看護計画書と報告書を主治医に提出していること、休日・祝日も含めて計画的な管理を継続していること。この3つを満たしたうえで、訪問の都度算定します。

額は「月の初日の訪問」と「月の2日目以降の訪問」で分かれています。機能強化型かどうかで差がつくのは、このうち月の初日のほうです。

月の初日の訪問(令和8年度)

区分月の初日の額
機能強化型訪問看護管理療養費113,760円
機能強化型訪問看護管理療養費210,460円
機能強化型訪問看護管理療養費39,030円
機能強化型訪問看護管理療養費49,030円
上記以外7,710円

月の2日目以降の訪問(令和8年度)

令和8年度の改定で、ここが大きく変わりました。従来は「訪問看護管理療養費1(3,000円・届出が必要)」と「同2(2,500円・届出不要)」の2区分でしたが、この2つは統合され、施設基準の届出も不要になりました。代わりに、単一建物に住む利用者の人数と、その月に何日訪問したかで額が変わります。

単一建物居住利用者月15日目まで月16〜24日目月25日目以降
20人未満3,010円
20人以上50人未満2,510円2,310円2,210円
50人以上2,410円2,210円2,010円

「単一建物居住利用者の人数」とは、その利用者が住んでいる建物の居住者のうち、同じ月にそのステーションが訪問看護管理療養費または包括型訪問看護療養費を算定する人の数を指します。

自分の事業所がどこに当たるかは、利用者の住まいの分布で決まります。戸建てや一般のアパートに散らばって訪問しているなら20人未満に収まるので、3,010円。従来の3,000円から10円の増です。一方、サービス付き高齢者向け住宅や有料老人ホームに集中して入っている事業所は、同じ建物の人数が増えるほど、訪問日数を重ねるほど単価が下がります。50人以上の建物に月25日訪問した場合の2,010円は、改定前の3,000円と比べて3分の2です。

集合住宅への訪問を収益の柱にしてきた事業所ほど、影響の試算を先にやっておいたほうがいいと思います。

なお、届出が不要になったのはこの月の2日目以降の部分だけです。月の初日の機能強化型1〜4は、これまでどおり地方厚生局長等への届出が必要なので、混同しないよう注意してください。

機能強化型訪問看護とは

機能強化型訪問看護とは

機能強化型訪問看護とは、在宅療養を必要とする重症度の高い利用者様や、急変リスクを抱える方への迅速な支援を目的に、質の高い医療的ケア体制を強化した訪問看護ステーションの形態です。

24時間対応や緊急訪問体制の整備、多職種との連携体制を含めて、地域での看護提供体制を支える役割が求められます。制度上は、機能強化型訪問看護管理療養費の1〜4のいずれかを算定可能とするための要件を満たす必要があります。

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機能強化型訪問看護ステーションの要件等

以下が「機能強化型訪問看護ステーション」の要件です。

機能強化型1機能強化型2機能強化型3機能強化型4
ターミナルケアの実施や、重症児の受入れ等を積極的に行う手厚い体制を評価地域の訪問看護の人材育成等の役割を評価地域と連携して精神科訪問看護を提供する役割を評価
月の初日の額13,760円10,460円9,030円9,030円
看護職員の数・割合常勤換算で7人以上(うち6人は常勤)、6割以上常勤換算で5人以上(うち4人は常勤)、6割以上常勤4人以上(常勤職員のみ)、6割以上常勤4人以上(常勤職員のみ)、6割以上
24時間対応24時間対応体制加算の届出 + 休日、祝日等も含めた計画的な訪問看護の実施
重症度の高い利用者の受入れ別表7の利用者 月平均10人以上別表7の利用者 月平均7人以上別表7・8の利用者、精神科重症患者支援管理連携加算の算定者又は複数の訪看STが共同して訪問する利用者 月平均10人以上別表7・8の利用者 月平均3人以上、かつ精神科の要件 月平均7人以上(詳細は下記)
ターミナルケアの実施、重症児の受入れ以下のいずれか
・ターミナル 前年度20件以上
・ターミナル 前年度15件以上+重症児 常時4人以上
・重症児 常時6人以上
以下のいずれか
・ターミナル 前年度15件以上
・ターミナル 前年度10件以上+重症児 常時3人以上
・重症児 常時5人以上
ーー
介護・障害サービスの計画作成以下のいずれか
・居宅介護支援事業所を同一敷地内に設置+特に医療的な管理が必要な利用者の1割程度について、介護サービス等計画又は介護予防サービス計画を作成
・特定相談支援事業所又は障害児相談支援事業所を同一敷地内に設置+サービス等利用計画又は障害児支援利用計画の作成が必要な利用者の1割程度について、計画を作成
ーー
地域における人材育成等以下のいずれも満たす
・人材育成のための研修等の実施
・地域の医療機関、訪問看護ステーション、住民等に対する情報提供又は相談の実績
以下のいずれも満たす
・地域の医療機関や訪看STを対象とした研修年2回以上
・地域の訪看STや住民等への情報提供・相談の実績
・地域の医療機関の看護職員の一定期間の勤務実績
以下のいずれも満たす
・地域の医療機関や訪看STを対象とした研修年2回以上
・地域の訪看STや住民等への情報提供・相談の実績
・地域の連携機関5以上との連携と年3回以上の面会
医療機関との共同ーー以下のいずれも満たす
・退院時共同指導加算の算定実績(直近3月)
・併設医療機関以外の医師を主治医とする利用者が1割以上
以下のいずれも満たす
・退院時共同指導加算の算定実績(直近3月)
・併設医療機関以外の医師を主治医とする利用者が1割以上
専門の研修を受けた看護師の配置専門の研修を受けた看護師が配置されていること専門の研修を受けた看護師が配置されていることが望ましい

※重症度の高い利用者の人数は、届出様式(別紙様式6)のとおり、直近1年間の合計を12で割った月平均で判定します。
※看護職員数の「常勤職員のみ」は、機能強化型3・4では非常勤職員を常勤換算で算入できないことを指します(機能強化型1・2は1人分まで算入できます)。

なお、機能強化型1で求められる「専門の研修を受けた看護師の配置」については、令和6年3月31日時点ですでに機能強化型訪問看護管理療養費1の届出を行っていたステーションに限り、令和8年5月31日まで配置しているものとみなす経過措置が設けられていました。この経過措置はすでに終了しています。現在は、機能強化型1を算定するすべてのステーションが実際に配置している必要があります。

参照:
訪問看護ステーションの基準に係る届出に関する手続きの取扱いについて(令和8年3月5日 保医発0305第9号)
令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】|厚生労働省保険局医療課

機能強化型訪問看護管理療養費1の算定要件

機能強化型訪問看護管理療養費1の算定を目指すには、訪問看護ステーションとしての提供体制を高水準で整備する必要があります。まず、常勤換算で看護職員7名以上(うち6名は常勤)を確保し、看護職員比率を60%以上とする人員体制が基本要件となります。加えて、24時間対応体制加算の届出を行い、緊急時の支援体制を構築しておくことが前提です。

その上で、ターミナルケアや重症児への対応実績、別表7該当利用者の一定数以上の受け入れ、地域との連携や相談支援実績、さらに人材育成に関する研修の実施が求められます。また、営業日外でも訪問看護が提供可能な体制整備と、専門研修を修了した看護師の配置も評価対象です。

機能強化型訪問看護管理療養費2の算定要件

機能強化型訪問看護管理療養費2を算定するには、一定の基準を満たした提供体制と実績が必要です。まず、看護職員数は常勤換算で5人以上(うち常勤職員が4人以上)、かつ看護職員比率が60%以上であることが求められます。また、24時間対応体制加算の届出を行っていることが前提となります。

加えて、前年度のターミナルケア件数が15件以上、もしくは10件以上かつ重症児利用者が常時3人以上、または重症児が5人以上在籍していることが条件となります。別表7に該当する利用者も月平均7人以上確保が必要です。さらに、居宅介護支援事業所や相談支援事業所との協働実績、地域への情報提供、人材育成のための研修実施といった地域貢献の姿勢も求められます。

機能強化型訪問看護管理療養費3の算定要件

機能強化型訪問看護管理療養費3は、訪問看護の地域的役割や人材育成の視点が重視された区分であり、比較的柔軟な要件で算定が可能です。常勤の看護職員を4人以上確保し、うち看護職員の割合を6割以上に保つことが基本条件です。加えて、24時間対応体制加算の届出を行い、緊急対応力のある運営体制を整備することが求められます。

その上で、地域における情報提供や相談支援の実績、年2回以上の研修実施、地域の保健医療機関職員の勤務受け入れ実績、共同訪問や退院支援の加算件数など、地域連携と教育機能が問われます。また、敷地内に医療機関がある場合は、主治医の偏りを避けた運用も必要です。

機能強化型訪問看護管理療養費4の算定要件

令和8年度の改定で新しく設けられた区分です。精神障害のある方のうち重点的な支援を要する利用者を受け入れ、24時間対応し、地域の関係機関と連携している体制を評価するもので、月の初日の額は9,030円。機能強化型3と同額です。

人員は常勤の看護職員が4人以上、看護職員の割合が6割以上。ここは機能強化型3と同じで、非常勤職員を常勤換算で算入することはできません。24時間対応体制加算の届出と、休日・祝日を含めた計画的な訪問看護の実施が前提になる点も共通です。

違いは、受け入れる利用者の中身にあります。二本立てになっていて、両方を満たす必要があります。

  • 別表第7または別表第8に該当する利用者が月平均3人以上
  • 次のいずれかが月平均7人以上
    • 1年以上の入院歴がある方、または入退院を繰り返している方(直近の入院が措置入院・緊急措置入院・医療保護入院で、かつその入院日から過去3か月以内にも措置入院等をしたことがある方に限る)で、かつGAF尺度が40以下の方
    • 精神科重症患者支援管理連携加算を算定している利用者

これに加えて、医療観察法による訪問看護の利用者、措置入院等を経て退院し退院後支援計画に基づく支援期間にある方、ひきこもり状態などで行政機関の保健師等による家庭訪問の対象になっている方、市町村や保健所の会議で支援調整の対象になっている方。こうした方が直近1年にいることが「望ましい」要件として挙げられています。

地域連携の要件も、機能強化型3とは組み立てが違います。研修の年2回以上、住民や他ステーションへの情報提供と相談対応は同じですが、4ではさらに連携機関を5つ以上持つことが求められます。しかも次の5分野のうち3分野以上にまたがっていること、そして各連携機関の職員と年3回以上、対面またはビデオ通話で面会して情報共有し、その日付・担当者名・目的・機関名を一覧できる形で記録しておくことまで定められています。

  1. 連携する保険医療機関
  2. 障害福祉サービス等事業者(一般相談支援、特定相談支援、地域移行支援、地域定着支援、自立生活援助、共同生活援助、就労継続支援等)
  3. 障害児相談支援事業所等
  4. 介護保険法に定める居宅サービス事業者、地域密着型サービス事業者、居宅介護支援事業者、施設サービス事業者
  5. 精神保健福祉センター、保健所、都道府県または市区町村の障害福祉担当部署

退院時共同指導加算の算定実績が直近3か月にあること、同一敷地内に同一開設者の医療機関がある場合は当該医療機関以外の医師を主治医とする利用者が1割以上いることも要件です。

ターミナルケアや重症児の受け入れ実績、居宅介護支援事業所の同一敷地内設置は、機能強化型3と同じく求められていません。精神科訪問看護に軸足を置いてきたステーションにとっては、これまで評価されにくかった実績が初めて点数として扱われる区分です。ただし、連携機関の数と面会記録は今日明日で整うものではないので、届出を狙うなら記録の取り方から設計しておく必要があります。

機能強化型移行で得られる経営メリット

機能強化型移行で得られる経営メリット

機能強化型訪問看護ステーションへ移行することで、経営基盤の強化と地域内での存在価値向上を両立できます。以下では、具体的な4つの観点から得られるメリットについて解説します。

サービス拡大による利用者様支援機会

機能強化型への移行は、受け入れ可能な利用者様の幅を広げる大きな契機となります。とくに、ターミナルケアや医療的ケアが必要な重症児など、高度な支援を要する方への対応力が強化されるため、他ステーションとの差別化が可能です。

対応領域が広がることで、医師やケアマネージャーからの紹介数が増え、支援機会の拡充につながります。結果として、地域で支援を必要とする層に対する受け皿としての機能を果たし、ステーションとしての社会的意義がより明確になります。

地域内での信頼性と連携強化効果

地域内での認知と信頼の獲得は、経営的にも継続性を左右する重要な要素です。機能強化型として届出を行うことで、地域の保険医療機関や他の訪問看護ステーションとの多職種連携が強化され、対外的な信頼性が高まります。

情報提供や研修の開催などを通じて、地域医療の中での役割が明確化され、安定した紹介ルートが築かれます。特に二次医療圏での機能強化型配置が進む中で、地域連携の中核として評価されることは、長期的な経営視点からも大きな優位性となります。

人材採用・定着促進に与える影響

人材の確保と定着は、多くの訪問看護ステーションにとって共通の課題です。機能強化型への移行により、質の高いケアを提供する職場であることを内外に示すことができ、採用面での訴求力が向上します。

研修制度の整備や専門性を高められる環境は、職員のモチベーションや定着率にも良い影響を与えます。また、管理療養費の加算による原資確保は、給与面での改善や業務環境の整備にも反映されやすく、組織としての魅力が高まります。

収入構造安定化と投資回収シミュレーション

収入面では、機能強化型訪問看護管理療養費の算定により、通常よりも高い報酬単価を確保できます。令和8年度の改定後で、機能強化型1と届出のないステーションの差は、月の初日の訪問1人あたり6,050円。利用者50人規模なら年間で約363万円の差になります。

この原資を何に充てるかで、移行の意味は変わります。オンコール手当の増額に回すのか、専門研修の受講費用と勤務調整に使うのか、あるいは常勤7人体制を維持するための採用費として見込むのか。要件を満たすためのコストと、要件を満たしたことで得られる原資は、同じ表の上で並べて考えたほうが判断を誤りません。

これにより、人件費や広告費といった固定コストへの投資に対しても、回収計画を立てやすくなります。特に中長期の視点で見た場合、稼働率の変動に対する耐性が向上し、経営の安定性が強化されることが期待されます。

要件達成に向けた組織体制の整え方

機能強化型訪問看護ステーションへの移行を成功させるには、制度上の算定要件を満たすだけでなく、それを支える体制構築が不可欠です。以下では、採用・教育・体制構築・研修の4つの視点から、組織整備の具体的な取り組み方を整理します。

看護職員採用・育成の考え方

機能強化型の要件を満たすためには、看護職員の常勤配置や専門性の確保が前提となります。特に、精神科や重症児対応が可能な人材や、専門研修修了者の配置が求められるケースも多く、人材の採用段階から明確な選考基準と人材要件を定めておく必要があります。

育成面では、訪問看護における初期教育と継続研修を分けて設計し、スキル向上と定着率を両立させる工夫が重要です。キャリアパスの提示や、外部研修への参加支援も、職員の成長意欲を引き出す要素になります。

関連記事:訪問看護マネジメントでの「採用力」とは?適切な人材を見極める3つのポイントを徹底解説!

24時間対応体制構築ステップ

24時間対応体制の確保は、機能強化型の届出要件の中でも中心的な項目です。体制整備には、看護師のシフト計画、オンコール業務の負荷分散、緊急時対応マニュアルの整備が求められます。

まずは、夜間・休日を含めた年間稼働スケジュールを作成し、無理のないローテーションを設計することが優先されます。また、ICTを活用したリアルタイムの連絡体制と情報共有手段の導入により、質を担保した夜間訪問が可能となります。加えて、対応履歴を蓄積しPDCAを回すことで、継続的な運用改善にもつながります。

ICT活用と記録・情報連携強化

機能強化型ステーションでは、記録の正確性と情報連携の速さが運営効率と利用者支援の質を左右します。電子カルテや訪問スケジュール管理システムの導入は、記録の効率化だけでなく、外部連携にも好影響を与えます。

例えば、オンコール対応中の看護師がタブレット端末から利用者情報を即時に確認できれば、判断や報告の精度が向上します。訪問看護計画書や報告書の共有もクラウド上で行うことで、医師やケアマネージャーとの連携もスムーズになります。これらの仕組みは、運営全体の見える化にも貢献します。

外部研修と学習機会確保

訪問看護職員が持続的に成長できる環境整備も、組織の安定運営には欠かせません。特に、機能強化型の要件では地域への研修提供や実習受入の実績も評価対象となるため、内部研修に加えて外部との協働も意識する必要があります。

具体的には、地域の医療機関や大学と連携し、学生や若手職員の受入体制を整えること、地域住民や関係職種への公開研修の開催が挙げられます。また、専門研修受講に対する勤務調整や費用補助といった制度設計も、人材の定着やスキルアップの促進に寄与します。

関連記事:訪問看護の法定研修について徹底解説!

届出から運用までの実務フロー

届出から運用までの実務フロー

機能強化型訪問看護管理療養費の算定を目指すうえでは、届出から実運用までを見据えた計画的な準備が求められます。以下では、必要書類の準備から体制構築、モニタリング、監査対応まで、実務フローの各段階における留意点を整理します。

地方厚生局への届出書類準備

機能強化型訪問看護管理療養費の届出は、厚生労働省が定める様式に沿って作成し、ステーション所在地を管轄する地方厚生局に提出します。令和8年度改定に対応した届出様式では、別紙様式6が機能強化型訪問看護管理療養費1〜4に共通で、受理番号は訪看機1〜訪看機4に分かれます。

算定を始められる時期は届出の受理日で決まります。各月の月末までに受理されたものはその翌月から、月の最初の開庁日に受理された場合はその月の1日から算定できます。審査に要する期間は、届出を受け付けた日から2週間以内が標準とされています。

令和8年度改定にあたっては、令和8年6月1日からの算定に係る届出について、令和8年5月7日以降に提出できる取り扱いが設けられました。すでに機能強化型1〜3を算定していて、引き続き同じ区分を算定する場合は、あらためての届出は必要ありません。ただし機能強化型4は新設された区分なので、算定するには届出が必要です。

届出を行ったあとも、毎年8月1日現在の状況について、届出書の記載事項等を地方厚生局長へ報告する必要があります。届けて終わりではなく、毎年の棚卸しが前提になっていると考えたほうがいいでしょう。

受付方法(郵送・持参・メール)やファイル名・件名の指定は厚生局ごとに異なるため、自ステーションを管轄する厚生局のページで確認してください。

内部チェックリストとスケジュール管理

届出準備の段階では、要件該当状況や添付書類の有無を確認する内部チェックリストの活用が有効です。特に看護職員数、研修実績、地域連携の記録など、要件証拠の明文化が重要になります。提出期限から逆算したスケジュールを作成し、法人内の複数部署との連携やリマインド体制を整備することで、抜け漏れのない準備が可能になります。

算定開始後のモニタリング指標

算定開始後は、各要件の継続的な充足を確認する仕組みが必要です。たとえば、別表7・8該当利用者数の月次確認や、ターミナルケア件数、情報提供・研修実施状況など、定量的な指標を設定し、定例会議等で進捗管理を行います。要件から外れた場合のリスク対応計画も、あらかじめ準備しておくことで安定運営に寄与します。

監査・指導に備える社内体制

機能強化型の届出後は、地方厚生局や指導監査課からの実地確認や資料提出を求められる場合があります。そのため、記録・帳票類の保管ルールを明文化し、業務日報や実績報告書の整備を徹底することが重要です。特に加算算定に関する根拠資料は、いつでも提出できるよう電子化やフォルダ管理を行うと対応力が高まります。

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まとめ

機能強化型訪問看護への移行は、単なる加算取得ではなく、「どのような地域医療を担うのか」という事業戦略そのものです。

一方で、要件の充足状況の確認、人員体制の整備、実績管理や届出対応など、制度運用には継続的なマネジメントが求められます。

制度を正しく理解していても、
・要件の継続充足ができていなかった
・算定機会を逃していた
・体制整備が追いつかず職員に負荷がかかっていた

といったケースは、決して少なくありません。

だからこそ重要なのは、
制度を「知る」だけでなく、運営の仕組みに落とし込むことです。

1.課題を構造で整理し、判断の軸をつくる

訪問看護の経営では、問題が単発で起きているように見えて、実はつながっています。

退職、稼働率の低下、教育の停滞、ルールの曖昧さ。
どこから手をつけるべきか分からないまま、日々の対応に追われてしまうことも少なくありません。

2.数字を“感覚”から“経営判断”へ変える

稼働率や人件費の変動が、そのまま収支に直結するのが訪問看護の特徴です。

それでも、数字がうまく活用できず、感覚的な判断になってしまうケースは少なくありません。

そこで、コーチングサービスを通して、収支や稼働の見方を実務レベルで整理し、
数字を“経営の武器”に変えていきます。

数字が見えるようになると、判断は迷いから計画へと変わるでしょう。

3.人が育ち、定着する組織づくりを支える

制度対応や経営判断の背景には、必ず「人」の問題があります。

採用のミスマッチ、育成の迷い、伝え方に関する不安…
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