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訪問看護の1日・オンコール当日の流れを詳しく紹介!訪問看護師になりたい方へ

訪問看護の1日・オンコール当日の流れを詳しく紹介!訪問看護師になりたい方へ

訪問看護は、医療の場が病院から地域へと移行する中で、看護師の専門性を最大限に発揮できる注目の働き方です。しかし「実際の1日の流れが見えにくい」「オンコール対応が不安」といった理由から、一歩を踏み出せずにいる方も多いのが現実です。

本記事では、訪問看護師の1日の業務スケジュールやオンコール対応、ICT活用による効率化、転職前に知っておきたい情報まで、現場のリアルを詳しくご紹介します。キャリア設計や転職の判断材料としてぜひご活用ください。

訪問看護師の1日の大まかな流れ

訪問看護師の1日の大まかな流れ

訪問看護は朝礼から午前訪問、昼休憩、午後訪問、終業後の事務処理というサイクルで進みます。以下で各時間帯の業務内容を具体的に解説し、転職前に体感しておきたい現場のリアルを掘り下げます。

朝の準備と申し送り

出勤直後の15分は、電子カルテで夜間オンコールの報告を確認し、訪問に持参する備品等の準備を実施します。訪問バッグへ必要物品を補充し忘れ物を防ぎます。また朝礼を行っている事業所では、チーム申し送りで利用者様の急変情報や臨時依頼を共有します。

一人でケアを行う訪問看護では他者の目が入りにくいため、朝礼にて利用者の情報共有や当日のケアの方向性を共有し合うことで、ケアの漏れ防止や質の維持を図ることができます。

午前訪問スケジュール

午前は9時~9時30分に出発する事業所が多い傾向にあります。移動手段は、車や自転車、バイクなどステーションによって異なります。また、昼までに2~3件の訪問を行うのが目安です。

正確な記録と残業を減らすためにも訪問の合間など記録を終えることがお勧めです。またケアマネージャーなどとの連携が必要な場合は、訪問の合間に電話などで連絡をすることもあります。

昼休憩と記録整理

お昼は事務所へ戻り60分の休憩を取得します。お昼休みの前後に時間があれば、記録を行いましょう。訪問先にてタブレット等で入力したSOAPをデスクトップで再確認し、記録の追記、算定する報酬コードの誤りがないかを点検します。特に夏場は脱水になりやすいので、お昼にも水分と塩分を補給しましょう。

またお昼はチーム内でコミュニケーションが取れる重要な時間でもあります。午前の気づきを共有し、不安なことがあればチームで相談しましょう。

午後訪問と多職種連携

午後は13時30分から17時30分頃を目安に3~4件訪問します。午前と同様に訪問を行いつつ、ケアマネージャーや医師との連携が必要なケースは適宜報告や相談を行いましょう。地域の関係者とはすぐに連絡が取れないこともあるため、時間を見つけて電話する、FAXや業務用SNSで報告を行いましょう。

退勤前の事務処理

17時過ぎに事務所へ戻り、訪問の記録、FAXなどでの情報共有、消耗品補充、車両利用記録などを行います。終業前ミーティングでは翌日の新規受け入れ情報と夜間リスクを共有し、オンコール担当者へ携帯を引き継ぎます。

オンコール当番日の流れと注意点

オンコール待機は通常勤務後も利用者様の急変連絡に備えるため一定のストレスもある業務です。待機中の過ごし方、夜間出動手順、翌日勤務調整の三段階を把握し、負担を最小化する仕組みを持つことが重要です。

待機中の過ごし方と心構え

当番者は専用携帯を持ち帰り、いつでも出動できるエリアで待機します。携帯の電波状況やマナーモードになってないかにも注意しましょう。

待機の不安を減らすためにも、オンコールの可能性がある利用者については情報をしっかり収集しておきましょう。特に、緊急時の方針は必ず確認が必要です。より安心して待機に臨むために、担当や直近訪問しているスタッフの方から直接状況を確認しておくこともお勧めです。

夜間コール対応の実際

夜間のコールは、必ずしも出動が発生するものではありません。むしろ、日中のケアや準備も含めて、如何にコールが起きないようにするか、コールがあっても電話対応で完結するようにしておくかという視点が重要です。そのため夜間コールがあってもすぐに出動するのではなく、本当に訪問が必要かをアセスメントするようにしましょう。そのためにも、特に経験が浅いうちは定期訪問や同行訪問の中で、利用者に起きうる緊急時のリスクや対応方法を先輩看護師や管理者とすり合わせておきましょう。

翌日勤務への影響とケア

夜間出動後は疲労回復を計画的に行い、翌日の安全運転とケア品質を保つ必要があります。理由は、睡眠不足が注意力低下を招き、移動中や医療的ケア時のヒヤリハットにつながりかねないためです。

具体的には出動明けの午前訪問を1件調整し、出動分を午後へ振り替える体制を同僚と共有します。勤務調整が可能な環境はスタッフ定着率向上にも寄与します。

忙しい日のタイムマネジメント術

忙しい日のタイムマネジメント術

訪問件数が多い日でも質を維持するには時間管理の考え方が欠かせません。ここでは移動・記録・休憩を軸に、忙しい日に役立つ具体的な手法を紹介します。

移動時間短縮の工夫

移動時間は訪問事に発生するため勤務の中での多くの割合を占めます管理者やスケジュール調整担当者も導線を検討していると思いますが、全てを効率的に調整することは困難です。そのため、訪問を行い日々の導線の効率をよく知っているスタッフ一人ひとりが、より効率的な訪問導線への調整を担当者と行うことが重要です。

最近では訪問スケジュールをAIが効率的に作成するツールもありますので、事業所の管理者や経営者は導入を検討してみても良いかと思います。

記録効率化の考え方

記録は正確性とスピードのバランスが重要です。効率化を図る理由は、入力に時間を割きすぎると利用者様と向き合う時間が減るからです。

具体策として症状の定型文章をテンプレート化し、スマートフォンの音声入力と組み合わせると入力ミスが少なくなり修正時間が短縮されます。結果として訪問後5分以内に記録が完了する習慣が根付くでしょう。つい、たくさん記録を書くこと良しとしてしまいがちですが、限られた時間での業務のため端的に必要な内容を記録するスキルも身に付けることが重要です。

休憩を確保する方法

訪問看護では1日のタイムマネジメントを自ら取る必要があります。そのため、お昼休憩もしっかりと取れるようにちゃんとセルフマネジメントを行いましょう。休憩欠如は判断力低下やサービス満足度の低下にもつながり、スタッフ自身の健康管理や長期的な就業継続にも影響します。

訪問件数とスキルアップの関係

経験値を高めるには件数が必要ですが、体力と学習時間のバランスも不可欠です。適正件数を把握し、成長と無理のない勤務を両立させる視点を持ちましょう。

件数目安と体力管理

1日5~6件が1つの目安ですが、地域特性、平均的な訪問時間、移動時間の長さで変動します。例えば、狭いエリアで効率的に訪問ができる、30分の訪問が多い等のケースはより件数が増える可能性もありますし、逆に時間が長い訪問が多い、対象エリアが広く移動時間が長い場合は少なくなることもあります。そのため、件数だけを意識するのではなく、ケア内容や利用者特性、移動時間・方法なども踏まえて、無理がないかを考えることが重要です。

また、特に真夏や真冬は訪問による体力の消耗もありますので、訪問する手段なども想定しておきましょう。

現場実践と研修参加

訪問看護では一人で訪問するため、一度自立すると他者からのフィードバックをもらいづらい特性があります。そのため、日々の実践を流れ作業にせずしっかりと自ら内省をして言語化できるようにしていくことが重要です。加えて、新たな視点を身に付け多角的に内省を行うためにも、外部研修などに参加することもお勧めです。特に、他事業所にて訪問看護経験が豊富な講師の研修に参加したり、個別相談の時間を設け客観的に振り返る機会を創ることも重要です。

ケースレビューで学びを深める

事業所によって開催頻度はそれぞれですが、カンファレンスは週1回程度行われます。そのカンファレンスでチームで看護について議論することで、自分のケアを客観視すると技術向上が加速します。また、カンファレンス以外でも個別に先輩との振り返りの時間を設け、フィードバックと課題指摘を同時に受けることでキャリアアップが行え、自信やモチベーションにもつながります。

転職成功に向けた情報収集の流れ

業務のリアルを理解したら、自分に合うステーションを選ぶための情報収集が不可欠です。同行訪問、数値比較、教育体制確認の三段階でギャップを防ぎましょう。

同行訪問でリアルを確認

同行訪問は働き方のリアルを肌で感じる最短ルートです。理由は、訪問件数や電子カルテ運用など公開資料では見えない運営方法を直接観察できるためです。転職希望者が半日同行をすることで、スタッフの休憩確保やご家族とのコミュニケーションへの姿勢を把握し、入職後のギャップを減らすことができるでしょう。現場体験は選択ミスを防ぎます。

オンコール体制を数値で比較

オンコールの負担は回数と出動率で定量評価できます。比較する理由は、同じ当番回数でも出動率が高い事業所では睡眠不足が慢性化しやすいからです。A事業所は月4回当番で出動率10%、B事業所は月4回で30%という差を把握できます。数値を可視化して検討すれば、自分の生活リズムに合う職場を選びやすくなります。

教育サポートとキャリア相談

教育体制の充実度は長期就業の鍵を握ります。その理由は、eラーニングや先輩同乗指導の有無がスキル獲得速度に直結するからです。入職後に週1回のフィードバック面談と外部研修費用の補助がある事業所の場合は、早期離職率の低下に期待できます。キャリア相談の有無を確認しておくと、自身の成長曲線を明確に描けます。

ICTツールを活用した職場環境

ICTツールが変える訪問看護の未来

ICTが導入されているかは業務効率とサービスの質の観点で重要です。ここでは電子カルテ、遠隔連携、AI活用の三側面から将来像を描きます。

電子カルテとモバイル連携

電子カルテがスマートフォンとシームレスに連動すると入力環境の制約が解消されます。理由は、訪問先で写真や音声を直接記録できるため帰社後の転記作業が不要になるからです。その結果、業務効率が上がり、ケアに集中できるとともに残業も減らすことができます。

遠隔連携で多職種協働

訪問看護では多職種との遠隔での情報共有も重要します。例えば、訪問先で医師へ症状写真を送りその場で指示を受けることで再訪問を減らす。ビデオ通話機能により、緊急時の対応を遠隔にいるスタッフと対応することができるなどの活用事例があります。こういったICTの活用で、より安心安全な看護提供体制ができているかも確認しましょう。

AI活用で業務効率化

最近ではAIによる記録や訪問スケジュールの効率化が行えるツールもあります。病院での看護と同様に、記録に時間がかかってしまう方も多いため、AIなどを駆使した端的かつ分かりやすい記録の作成も今後の働き方を左右します。ただし、記録内容やアセスメントは看護師自身が責任を持つべきなので、全てAIに任せるのではなく、看護師が自ら成長すべきことと、効率性の観点でAIを使うべきことをしっかり使い分けましょう。

まとめ

本記事では、訪問看護師の1日の流れからオンコール対応、業務効率化の工夫、転職時のチェックポイントまで、現場の実態を包括的に解説しました。訪問看護は時間管理や体力配分、多職種連携、ICT活用など、さまざまなスキルが求められる分野です。忙しさの中にもやりがいがあり、成長やキャリア形成につながる魅力があります。訪問看護への理解を深め、自身の働き方や転職後のイメージを具体化する参考になれば幸いです。

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小瀨文彰プロフィール写真(株式会社UPDATE 代表取締役)
株式会社UPDATE 小瀨 文彰
株式会社UPDATE 代表取締役(看護師・保健師・MBA) ケアプロ訪問看護ステーション東京にて新卒訪問看護師としてキャリアスタート。その後、訪問看護の現場・マネジメント経験の他、薬局や訪問看護運営するスタートアップ企業で40拠点・年商65億規模の経営を行い上場企業へのグループインを実現。現在は医療職マネジメント人財を育成するためマネジメントスクールを運営中。