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訪問看護マネジメントでの「採用訴求」とは?適切な人材獲得に向けた5つのポイントを徹底解説!

訪問看護マネジメントでの「採用訴求」とは?適切な人材獲得に向けた5つのポイントを徹底解説!

訪問看護の採用活動において、
「採用してもミスマッチで、すぐに辞めてしまう」
「事業所の強みがわからず、条件面ばかり強調してしまう」
などの悩みを抱えている管理者は少なくないでしょう。

適切な人材を獲得できないと、採用しても定着せず、ほかのスタッフの負担増加や利用者の満足度低下につながりかねません。採用訴求のポイントを押さえ、どのような人材を獲得するかの見極めが重要です。

本記事では、訪問看護における採用の悩みと課題を整理し、適切な人材獲得に向けた5つのポイントを詳しく解説します。
この記事を読むと、より良い採用訴求のために取るべき行動が具体的にわかるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

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訪問看護での「採用訴求」の悩みと課題

採用訴求について悩む訪問看護管理者

訪問看護での採用において、以下のような悩みを抱えていませんか?

  • 求職者が集まらなくて採用に苦戦している
  • 事業所の強みと呼べるものがない
  • エージェントからの紹介はあるものの、意識が低く環境ありきな方が多い
  • 規模が大きくなるにつれ、不健全な摩擦が多くなる

また退職者が出て、在籍スタッフが大変そうにしていたり、利用者の期待に応えられなくなったりすると、妥協して採用してしまうこともあるかもしれません。

このような悩みに対する管理者の課題は「誤った人事」であるといえます。

訪問看護の人材獲得での失敗パターン

人材採用で失敗してしまう訪問看護管理者

訪問看護で人材を獲得する場合にありがちな失敗パターンとして、次のケースが考えられます。

【人材獲得でよくある失敗

 エージェントから紹介される人を順番に面接していく受け身の採用活動をしている。

    ▼

組織にあった人材に出会えず、他社に競り負けてしまう。

    ▼

「自社には強みがない!」とお手上げ状態になる。

    ▼

給与・休日の条件を改良し、面接で条件面を強調して伝える。

このようなケースが続くと、以下のような悪循環につながる恐れがあります。

【人材獲得での悪循環】

給与・教育体制など、目に見えるもの以外での強みや差別化ポイントを、管理者・経営者自身が見出せていない。

    ▼

強みや差別化ポイントを見出せておらず、エージェント・求職者に伝えられていない。

    ▼

労働環境や条件など、目に見える部分での戦いを強いられる。

求職者に対し、労働環境や条件以外の部分にも目を向けてほしいと思っていても、労働環境や条件ばかりを伝えてしまう管理者は少なくありません。

このような悪循環に陥らないためには、事業所の特徴を見出し、エージェント・求職者に伝えていくことが重要です。

訪問看護の採用訴求について考えるべき5つのポイント

採用がうまくいくポイントを理解し前向きになっている訪問看護管理者

訪問看護で適切な人材を獲得するためのポイントは、以下の5つです。

  • 組織目標を明確にする
  • 事業フェーズごとの課題を明確にする
  • 組織が求める人材を明文化する
  • 求職者の「入職の決め手」にアプローチする3つの工夫
  • 事業所を魅せるための採用訴求軸を明確にする

続いて、それぞれについて解説します。

1.組織目標を明確にする

組織目標を明確にする最初のステップとして、組織の根幹となるミッション・ビジョン・パーパスを明確に言葉にすることが重要です。これらは1〜2行で簡潔に表現するだけでなく、組織が目指すストーリーとして語れるようにしましょう。

1〜2行にまとめた文章だけでは、組織の魅力や特色が十分に伝わらず、共感を呼びにくいためです。採用担当者のみならず、ほかのメンバーも、組織の方向性・価値観を自身の言葉で語れるレベルを目指しましょう。

採用面接や見学時には、採用担当者のみならず、メンバーにも同席してもらう方法が有効です。メンバーが同席すれば、求職者にリアルな現場の状況について伝えられます。また、メンバーにとっても、組織の方向性や価値観を深く理解する良いチャンスとなるでしょう。

2.事業フェーズごとの課題を明確にする

組織目標だけでなく、事業所の具体的な課題も明確にすることが重要です。

ミッション・ビジョン・パーパスは普遍的なものとしてありつつも、事業所の課題は事業のフェーズによって異なります。まずは事業所が置かれているフェーズを理解しましょう。

事業のフェーズとして、以下の3つが挙げられます。

  • 立ち上げ期:目的意識を高くもったメンバー同士がルールを自ら考え、時に耐え忍びながら事業の原型をつくるフェーズ。
  • 仕組み構築期:事業が軌道に乗ってきたタイミング。メンバーが増え、各々が過去の経験を前提とするため混乱や業務の質の差が生じる。統一されたルールや仕組みをつくることで、効率的・効果的に業務を行える体制を整えるフェーズ。
  • 洗練・継続期:仕組み化が完了しつつある状態。大きな変化はないものの、常に事業を洗練させ続けることや、継続的な事業運営が求められるフェーズ。

3.組織が求める人材を明文化する

組織が求める人材を明確化する

採用活動では、組織が必要としている人材を明文化することが重要です。スキルや経験だけでなく、組織との相性や役割に対する適性が合わなければ、定着しにくくなります。

求める人物像は、必ずしも一つの像に絞る必要はありません。組織の成長フェーズやチーム内のバランスに応じて、いくつかの役割に分類して整理しておくと効果的です。

チーム内の役割として、以下の4つが挙げられます。

  1. 象徴的人材:マネジメントやリーダーになりうる人材
  2. 象徴的人材候補生:象徴的人材になれるかもしれないが、縁の下の力持ち人材かもしれないスタッフ
  3. 縁の下の力もち人材:一定の貢献をしてくれるが、率先して周りをけん引していくわけではない支え役・フォロワー人材
  4. 特殊能力人材:特定領域に関して専門性をもつ人材

採用する際は、事業フェーズに応じて優先順位をつけることがポイントです。どのフェーズで、どの人材が必要なのかを見極めることで、ミスマッチの防止につながります。

また採用する順番は、1〜4の順番に採用するとよいでしょう。例えば、事業の立ち上げ期にもかかわらず、「特殊能力人材」を採用した場合、その方の能力を十分に活かしきれない可能性があります。まずはリーダーとなる「象徴的人材」を先に確保し、事業の基盤を作っていくことが重要です。

このように、事業所のフェーズに合わせて必要な人材を採用することが重要です。

4.求職者の「入職の決め手」にアプローチする3つの工夫

エージェントに事業所の強みを話す訪問看護管理者

組織が求める人材を獲得するためには、事業所の強みや特徴を求職者に合わせて伝える工夫が必要です。

本章では、求職者ごとの入職の決め手にアプローチするための工夫を紹介します。

求職者ごとに刺さるポイントを個別に伝える

求職者の求めるやりがいや働き方は、同じ事業所にエントリーしていても人それぞれに異なります。

例えば、育児中の求職者にとっては、「立ち上げ段階で奮闘している職場環境」よりも、「子育てと両立しやすい職場環境」が魅力に感じるでしょう。

このように、事業所が今置かれている環境のなかで、相手に響くポイントを的確にアピールすることが重要です。

ミスマッチ予防のための情報を提供する

一方で、ミスマッチ予防のために事業所のリアルな現状を伝えることも重要です。

「特殊能力人材」にとっては、立ち上げ段階の事業所よりも、ルールが整い軌道に乗っている事業所で働く方が能力を十分に発揮できるかもしれません。

「今の事業所では整備されていない部分がある」と正直に伝えることで、求職者とのミスマッチを防げる場合もあります。

エージェントに追加の情報を提供する

訪問看護の事業モデルはどの事業所においても似通っていることが多く、求人票の情報だけでは印象に残りません。エージェントに対し、プラスαの情報を伝えることで、ほかの事業所との差別化を図ることができます。

追加情報の伝え方として、以下の例が挙げられます。

  • ビジョンや1日の流れなどを、スライド資料にまとめて共有する
  • 口頭で理念や背景を伝える
  • 定期的な連絡で事業所の変化や取り組みを伝える

このように事業所独自の情報をエージェントに伝達すれば、オリジナリティを際立たせられ、事業所の理念にマッチする人材を獲得しやすくなるでしょう。

5.事業所を魅せるための採用訴求軸を明確にする

企業のミッション・ビジョン・バリュー

労働条件や職場環境にばかり目が向いてしまう事業所は少なくありません。しかし適切な人材獲得のためには、企業理念のアピールが欠かせません。

採用訴求における4つの軸や理念のアピールに注力すべき理由について解説します。

採用訴求における4つの軸とは?

採用訴求は、以下の4つの軸で構成されます。

  1. ミッション・ビジョン・パーパス(コト):何のためにこの仕事をするのか
  2. 仲間・バリュー(ヒト):どんな人と働くのか
  3. 職場環境(モノ):教育体制や業務の流れ
  4. 労働条件(カネ):給与や勤務時間など

採用の場面で特に重視すべきは、「ミッション・ビジョン・パーパス」や「仲間・バリュー」などの、目に見えにくい部分です。

これは、ブランド企業が採用に強い理由を考えてみるとわかりやすいでしょう。ブランド力のある企業は、理念や価値観を明確に言語化しており、企業の魅力が求職者に伝わりやすいためです。

よって、エージェントも紹介しやすく、求職者も入職への強い動機を持ちやすくなります。求職者の家族からも、背中を押してもらいやすいでしょう。

ブランド企業のような求心力を目指す必要はありませんが、地域で選ばれる事業所づくりのヒントにはなるはずです。

理念を求職者やその家族に明確に届けるため、資料・HP・SNSなどを活用し、一貫したメッセージを届けるのも有効です。

訪問看護だからこそ理念を明確にする

訪問看護は事業モデルがほかの事業所と似通っていることから、事業所ごとの違いがわかりにくいといえます。だからこそ、ストーリーを交えて事業所の理念を明確に伝え、違いを際立たせることが重要です。

理念への共感が長期的な活躍につながる

採用訴求軸の考え方_理念共感が長期的な活躍につながる

事業所の理念に共感して入職すると、給与や待遇などの条件面を理由に入職した場合よりも、離職しにくくなるでしょう。

働き方は、人生のステージによって変化します。単に条件だけで職場を選んだ場合、引越しや出産などのライフイベントによる離職につながりやすくなります。

一方で、事業所のビジョンがスタッフの自己実現や力の源泉と深く結びついていると、その組織で長く活躍したいという思いが生まれるでしょう。

このように、理念に共感する人材を獲得することが、採用を成功に導くためのポイントです。

まとめ:採用訴求の軸となる「事業所の理念」を明確にしよう!

まとめ画像

訪問看護の採用を成功させるためには、待遇や労働条件だけでなく、事業所の理念を明確に伝えることが重要です。求職者ごとの入職要因に合わせた情報提供や、事業所の現状を伝えることで、ミスマッチ防止・定着率向上につながります。

エージェントに対しても、事業所の理念を積極的に共有することで、よりマッチした人材の紹介が期待できるでしょう。地域で選ばれる事業所になるためには、理念を軸とした一貫性のある採用訴求が不可欠です。

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小瀨文彰プロフィール写真(株式会社UPDATE 代表取締役)
株式会社UPDATE 小瀨 文彰
株式会社UPDATE 代表取締役(看護師・保健師・MBA) ケアプロ訪問看護ステーション東京にて新卒訪問看護師としてキャリアスタート。その後、訪問看護の現場・マネジメント経験の他、薬局や訪問看護運営するスタートアップ企業で40拠点・年商65億規模の経営を行い上場企業へのグループインを実現。現在は医療職マネジメント人財を育成するためマネジメントスクールを運営中。