企業内研修事例01:マネジメントのタレント性を持つ薬剤師・調剤事務の育成に向けて。社会の変化に対応できる薬局企業としての人材育成強化
導入事例:GOOD AID株式会社様
現場が分かりマネジメントもできる薬剤師・調剤事務の育成体制を構築するために、マネジメント研修を実施しているGOOD AID株式会社様。その取り組みについて、同社、街の保健室事業部の部長を務められている尾鷲 健様と 井上 裕介様からお話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)
目次
まとめ
業種:薬局
研修の対象層:エリアマネージャー・SV
職種:薬剤師・一般職
受講形態:企業内研修
課題
- 薬局数の増加に伴い既存のマネジメントメンバーの業務がひっ迫するようになり、自ら考え現場を率いていく薬剤師や一般職マネジメント人財を育てる必要があった
- 薬剤師や調剤事務として現場実務経験はあるものの、組織をマネジメントすることへの理解や経験がまちまちで、組織としての共通認識を創る必要があった。
研修内容
- 企業の規模拡大に伴うピープルマネジメント力を向上するため、組織マネジメント基礎講座をオンラインにて実施。
- 3か月間隔週のクラス(全6回)実施。クラス以外にてチャットツールを用いた振り返り投稿や質疑応答を実施。
成果
- マネジメントに関わる上での共通目標を明確にすることができ、各々が個人的な判断をしていた状況から、全体最適を考え動ける場面を増やすことができた。
- 企業研修を通してマネジメントメンバーが共通言語を持てたことによって、マネジメントメンバー同士のコミュニケーションが円滑になり、より部長とエリアマネージャーが同じ方向性に向かっている感覚を持つことができた。
背景と課題
マネジメント研修の導入にあたり、組織ではどのような課題をお持ちでしたか?
尾鷲様:現在、GOOD AID株式会社・まちほけ株式会社合わせて薬局が38店舗あるのですが、組織としてマネジメントをしっかり行える人材がおらず、企業としてスピード感を持って成長している中でなかなかマネジメント人財を育てることができずにいました。そのため、薬剤師などの人財定着についても課題が大きくなる実感があったことと、単純に部長職である私や井上さんの手が回らなくなってしまう状況に陥ってしまう課題感がありました。このままではヤバいぞと。(笑)
井上様:これまでスーパーバイザーなどの登用もしてきたのですが、マネジメント職としての育成体制が整わっておらず課題感がありました。そのため、現場へのフォローや細やかなマネジメントができなくなっている課題解決に向けて、現場実務が分かるメンバーをエリアマネージャー候補として抜擢し、しっかりと教育する機会を創りたいと思ってUPDATEさんにご相談させていただきました。
尾鷲様:今回の新たなマネジメントチームは、現場からの手上げや抜擢でマネジメント職として成長し活躍をしていきたい人材を集めたため、皆やる気はあるものの「そもそもマネジメントとは?」ということへの共通理解がない状況でした。また組織としてもきっちりとした仕組みが創りこめていない難しさもありました。ただ、そのような状況だからこそ、これから自社や広く業界で活躍することができる薬剤師・調剤事務のマネジメント人財を輩出していきたいと思い、医療職のマネジメント実践が豊富なUPDATEでのマネジメント研修で基礎作りをお願いしました。
研修内容
研修内容や講座を受けた印象について教えてください。
井上様:今回は3か月間の期間にて隔週全6回、オンラインによるマネジメント研修を実施しました。内容は、やはり現場で働くメンバーがとても大事な仕事なので、『組織マネジメント実践』に関する基本的な内容を開講しました。実際にやってみて、講座日以外にもチャットでの振り返りや質疑応答の1つ1つに、長文かつ丁寧にフィードバックを頂けたので、とてもよかったです。
尾鷲様:実際に私も講座に参加していましたが、マネジメントメンバーが日常的に直面する課題について具体的なシチュエーションをもとに話されていたので、教科書や理論的な知識を知るだけでなく、自らの経験を思い出しながら課題を構造的に捉えたり、解決の考え方を知ることができたと思います。
※今回薬剤師や調剤事務マネージャー向けに実施した組織マネジメント研修(基礎編)のテーマは以下の通りです。
- Day1:医療職マネジメントの負のサイクル
- Day2:マネージャーの役割と陥りがちな8つの課題
- Day3:コミュニケーションラインに合わせたマネジメント
- Day4:効果的にチームを動かすマネジメント
- Day5:コミュニケーションを円滑にする思考法①
- Day6:コミュニケーションを円滑にする思考法②
受講者の声
実施後受講された方からはどのような声がありましたか?
井上様:弊社で独自に受講者のアンケートを取ってみたのですが、全員「大変満足」や「満足」の回答かつ、他者へ「強く勧めたい」「勧めたい」の回答でした。面白かったのは、開催前のアンケートでは全員「自己負担なしなら学びたい」だったのですが、終わった後では「自分でお金を払ってでも受けたい」回答が65%以上になっていました。医療業界や薬剤師業界ってあまり研修にお金を払っているイメージがないので、結構高い数値だなと思いました。
尾鷲様:具体的な声としては、「実際の現場での体験談などを交えてお話をいただくことで、より自分の中に落としこむことができ、書籍などでは得られない価値があると感じた。」「自身の経験で得た事柄だけの穴だらけのマネジメントが、網羅して学ぶことができたのはとても自分の成長につながった。」というものがありました。また、今回は開催時間の関係で時間がタイトだったので、今度はゆっくり時間をとってメンバーや講師とのディスカッションをしっかり行うようにできたら、より学びが深まりそうだと感じました。
成果と今後の展望
研修を実施して成果を感じる場面はありましたか?
井上様:マネジメントメンバー同士の共通言語がしっかりできたなと思ってます。それによってマネジメントメンバー同士のコミュニケーションも円滑になりましたし、各メンバーがより高い視座で考えてくれているようになったことを実感します。例えば何か提案する時でも、今までだと個人や現場目線での発言が多かったんですが、より組織全体と現場目線を両方踏まえての提案が増えたり、それぞれ意見はあれどチーム全体でどう成果を勝ち取っていくかという視点に立ってくれるようになったと思います。
尾鷲様:なかなか直接見ることができないですが、マネジメント研修の内容を踏まえて、現場メンバーへのコミュニケーションも軸をもって行えていそうな様子が垣間見えることがあります。コミュニケーションはすぐに変わるものではないですが、薬局はそこで働くメンバーがとても大事なので、今後も研修の内容を共通言語にして継続的に成長していけるよう促していければと思います。
今後のGOODAIDさんや尾鷲さん・井上さんの展望を教えてください。
井上様:GOODAIDの良さはなんと言ってもスピード感。社会がどんどん変わる中で、チャレンジしていきたい方でちゃんと自己研鑽をしている人財は抜擢して育てていく環境を創っていきたいと思っています。薬局の業界もDX化やオンライン化などによって、薬剤師・薬局が淘汰されていくと言われています。そのような業界変化がある中、しっかりと価値を発揮して社会に価値を発揮できるタレント薬剤師・タレント調剤事務を育てていきたい。そのタレントの一つに、仲間の力を最大化して、チームとしてより大きな価値を発揮できる人材は、これからとても重要となってくると思うので、そのような人材を育てて、企業としてもさらに成長していきたいです。
尾鷲様:まさにその通りだなと思います。組織って大きくなるほど熱量や方向性がバラバラになってしまいますし、スピード感を持っていたらなおさらです。その中で、しっかりとした方向性を持ち続けられる強い組織を創っていくには現場実務をよく知っており、マネジメントもできる薬剤師・調剤事務の存在が欠かせません。社会がどんどん変化していき、薬局に求められる役割や機能も移り変わる中で、経営陣・マネージャー・店長・メンバーが未来に向けて同じ方向性に向かっていく組織をみんなで作り上げていきたいと思います。
企業内研修について詳しく知りたい方へ
UPDATEでは訪問看護マネジメントスクールに加え、マネジメント能力や組織人としての基礎力を育成する企業内研修、実務相談を通したマネジメント人材育成サービス「マネジメント・メンター」を行っております。企業内研修について詳しく知りたい方は、お問い合わせフォームよりご連絡を頂ければ幸いです。
企業紹介|GOOD AID株式会社 様
「街の保健室」をコンセプトに、タレント性を持つ薬剤師に気軽に相談させる薬局づくりを目指して新たなチャレンジを多くされているファーマライズホールディングス株式会社のグループ企業です。薬局や訪問看護を展開されています。企業としての成長スピードも速く、様々な活躍や成長の機会がある職場なので、マネジメントや薬剤師としてのチャレンジに興味がある方はぜひHPも覗いてみてください。
企業HP:https://good-aid.com/