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訪問看護の採用面接で失敗しないために!よくある落とし穴と見極めポイント3選

訪問看護の採用面接で失敗しないために!よくある落とし穴と見極めのポイント

訪問看護ステーションを運営する上で、最も重要かつ難しい課題の一つが「人材採用」ではないでしょうか?

「面接ではすごく良い人だと思ったのに、入社してみたら全然違った」
「採用したスタッフが原因で、職場の雰囲気が悪くなってしまった」

経営者や管理者の方の多くが、一度はこのような苦い経験をされていることでしょう。

採用の失敗は、採用コストが無駄になるだけに留まりません。既存スタッフの疲弊や離職を招く可能性があるほか、最悪の場合には、組織崩壊につながるほどの大きなダメージをもたらします。

それほど重要な採用面接について、実は多くの管理者が面接方法を体系的に学ぶことなく、自己流や場当たり的な方法で行っているのが現実です。

そこで今回は、訪問看護の採用面接で陥りがちな典型的な失敗パターンをご紹介します。

また応募者の本質を見抜き、自社にマッチする人材を見極めるための3つのポイントを徹底解説します。

なぜ訪問看護の採用面接で失敗するのか?

採用面接に悩む訪問看護師

失敗が繰り返される理由の一つは、面接官自身が「応募者に良く見られたい」という心理と同じように、「応募者を良い人だと思いたい」というバイアスに陥りやすいからです。

特に、応募者が事前にホームページを読み込み、理念やビジョンについて「共感しました!」と熱心に語ってくれると、面接官としては嬉しくなってしまいますよね。

「なんて良い人なんだろう!ぜひうちに来てほしい!」

などと、ポジティブなバイアスがかかり、その後の質問や評価が甘くなってしまう傾向があります。

応募者は自分を良く見せようと準備してきています。表面的な言葉だけを信じてしまうと、入社後のミスマッチにつながる可能性が高まるでしょう。

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訪問看護の採用面接で注意したい3つの失敗パターン

訪問看護で失敗パターンに陥ってしまう看護管理者

続いて、多くのステーションで実際に起こっている典型的な失敗パターンを3つご紹介します。

失敗パターン1:応募者の「きれいな言葉」に惑わされる

応募者の表面的な言葉に惑わされ、その裏側にある事実や経験を捉えられていないまま採用してしまうケースがあります。

例えば、面接で「点滴はできますか?」と質問したとします。ほとんどの看護師は「できます」と答えるでしょう。しかし、『できる』のレベルは人それぞれです。

  • 常に誰かがフォローしてくれる病院でしか経験がない
  • ブランクがあって、一人で実施するには不安がある
  • マニュアルを見ながらであればできる

訪問看護では、基本的に一人で判断し、実践する場面が多くあります。面接で「できます」という言葉を鵜呑みにした結果、「いざお願いしたら『怖くて一人ではできません』と言われてしまった」というケースは後を絶ちません。

理念への共感も同様です。

「本当にその理念に共感し、自身の経験と結びつけて語っているのか?」

「それともホームページに書いてあったことをそのまま話しているだけなのか?」

その言葉の裏にある事実や経験を深掘りしなければ、本質は見えてきません。

失敗パターン2:「志望動機」から始める定番質問の落とし穴

「それではまず、志望動機を教えてください」

面接の冒頭で、ついこの質問から始めてしまっていませんか?

もちろん、志望動機は重要です。しかし、この質問は応募者が最も準備してくる質問でもあります。

多くの場合、事前に用意された「模範解答」が返ってくるだけで、その人の個性や本質的な考えを知ることは難しいでしょう。

また、面接官側も「どんな看護がしたいですか?」といった、良い答えが返ってきやすい『誘導尋問』のような質問をしがちです。これでは、応募者の表面的な部分しか見ることができず、入社後に「こんなはずではなかった」というギャップが生まれる原因となります。

失敗パターン3:「人手不足」を理由にした妥協採用

訪問看護の現場は、常に人手不足との戦いです。

「今いるスタッフが疲弊しているから、とにかく早く新しい人を入れないと…」という焦りから、採用のハードルを下げてしまうのは、危険な失敗パターンです。

人手が足りないからといって妥協して採用すると、結果的に教育コストが余計にかかったり、他のスタッフとの相性が悪く、かえって現場の負担を増やしてしまったりすることがあります。

その結果、既存の優秀なスタッフが辞めてしまうという最悪の事態にもなりかねません。採用は、短期的な人員補充ではなく、長期的に組織を成長させるための重要な投資です。焦りによる妥協は、絶対に避けなければなりません。

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応募者の本質を見抜くための面接ポイント3選

訪問看護の採用ポイントを知る管理者

では、どうすればこれらの失敗を避け、応募者の本質を見抜くことができるのでしょうか。私が実践している、明日から使える3つのポイントをご紹介します。

ポイント1:「解釈」ではなく「事実」を聞き出す

面接で最も重要なのは、応募者の「解釈(どう思うか)」ではなく、「事実(どう行動したか)」を聞き出すことです。

例えば、「やりがいを感じる看護がしたいです」という応募者がいたとします。ここで「素晴らしいですね」と終わらせてはいけません。

「ありがとうございます。ちなみに、これまでの経験の中で、最もやりがいを感じたのはどんな時でしたか?具体的なエピソードを交えて教えてください」

このように、過去の具体的なエピソード(事実)を深掘りします。さらに、そのエピソードについて、

「その時、なぜあなたは『やりがいがある』と感じたのでしょうか?」

と質問することで、その人の価値観や仕事に対するスタンスが見えてきます。「悔しかった経験」や「挫折した経験」についても同様です。過去の事実に基づいた行動や感情の動きを聞き出すことで、その人の人となりが立体的に浮かび上がってきます。

ポイント2:あえて抽象的な質問から始める

定番の質問を避けるため、私はあえて非常に抽象的な質問から始めることがあります。

まず、私自身が「新卒から訪問看護を始め、なぜ今マネジメントの仕事をしているのか」といった自己紹介を、少し長めに行います。

これは、面接官が自分をさらけ出すことで、応募者も本音で話しやすい雰囲気を作るためです。また「このくらいの深さで、これくらいの長さで話してほしい」という手本を示す意味もあります。

その上で、こう投げかけます。

「今日はありがとうございます。レジュメは拝見しましたが、改めて、〇〇さんご自身の言葉で、これまでのご経験や自己紹介をお願いします」

このように、あえて広いテーマで自由に話してもらうのです。

すると、応募者が自分のキャリアの中で何を重要だと捉え、どのように意味付けをしているのかが見えてきます。経歴をただ羅列するだけの人なのか、一つひとつの経験に自分なりの意味を見出しているのか、その違いは明らかです。

ポイント3:自信満々な態度にこそ注意を払う

これは私の経験則からくる偏見かもしれませんが、面接でやたらと自信満々に、ハキハキとよどみなく話す人には、少し注意が必要な場合があります。

もちろん、自信があることは素晴らしいことです。しかし、その自信が過去の経験という「事実」に裏打ちされたものなのか、それとも単なる「思い込み」や「自己評価の高さ」から来ているものなのかを見極める必要があります。

そうした応募者に対しては、特に「過去の事実」を問う質問を重ねてみましょう。「あれもできます、これもやってきました」という言葉に対して、「その中で、最も大変だったことは何ですか?どう乗り越えましたか?」といった具体的なエピソードを求めることで、その言葉の信憑性を確かめることができます。

まとめ

まとめ画像

採用面接は、単に人手を探す場ではありません。会社の未来を共に創っていく「仲間」を見つけるための、非常に重要なプロセスです。

面接官が応募者の表面的な言葉に一喜一憂し、場当たり的な質問を繰り返しているうちは、採用の失敗はなくなりません。大切なのは、応募者が過去にどのような「事実」を経験し、そこから何を学び、どのような「価値観」を形成してきたのかを、対話を通じて深く理解しようとすることです。

今回ご紹介した失敗パターンとテクニックを参考に、ぜひ自社の採用面接を見直すことをおすすめします。

けれども実際には、
「うちのステーションの場合はどうしたらいい?」

「やってみたけど思うようにいかない」
などの悩みを抱える事業所も少なくないでしょう。

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受講者インタビュー:地域を支えるサービス拡大に向けたマネジメントの体制強化|医療法人和光会 福井郁子様

小瀨文彰プロフィール写真(株式会社UPDATE 代表取締役)
株式会社UPDATE 小瀨 文彰
株式会社UPDATE 代表取締役(看護師・保健師・MBA) ケアプロ訪問看護ステーション東京にて新卒訪問看護師としてキャリアスタート。その後、訪問看護の現場・マネジメント経験の他、薬局や訪問看護運営するスタートアップ企業で40拠点・年商65億規模の経営を行い上場企業へのグループインを実現。現在は医療職マネジメント人財を育成するためマネジメントスクールを運営中。