看護管理者にカリスマ性は不要?マネジメントに必要な3つの資質を徹底解説!
「現場のリーダーを任されたけど、何からやればいいの?」
「スタッフとの関わり方が難しい…」
「臨床をしていた頃とのギャップに悩んでいる…」
看護管理者になると、これまでとは全く違う役割や責任が求められ、上記の戸惑いを感じる方は少なくありません。
私自身、数多くの組織マネジメントに関わる中で、たくさんの失敗を重ねてきました。そこで見えてきたのは、看護管理者にとって重要な「3つの資質」があるということです。
この記事では、看護管理者として組織を成功に導くために必要な3つの資質をご紹介します。
管理者としての役割に悩んでいる方、これからリーダーを目指す方にとって、今日からできる行動のヒントが見つかるはずです。ぜひ最後までお読みください。
目次
看護管理者に”カリスマ性”は必要ない

ここまで読んで、「やっぱり自分にはリーダーの器じゃないかも…」と感じている方もいるかもしれません。特に、「私には人を惹きつけるようなカリスマ性なんてない」という悩みは、看護管理者からよく耳にする声です。
結論から言うと、看護管理者にカリスマ性は必要ありません。
私たちは、スティーブ・ジョブズのように世界を変える革新的なビジョンを語る必要はないのです。それよりも大切なのは、
- どうすればもっと良いケアを届けられるか?(事業目的)
- 私たちのチームはどうあるべきか?(組織のスタンス)
という、身近で具体的なテーマについて真剣に考え、その想いを自分の言葉でスタッフに伝え続けることです。
これからお伝えする3つの資質を、地道に・誠実に実践し続けること。それこそが、メンバーから信頼され、成果を出せる管理者への一番の近道なのです。
看護管理者は組織の“軸”になる存在
看護管理者に求められているのは、「みんなを魅了するスター」ではなく、組織の“軸”としてぶれない判断を示す存在です。
その軸とは、
- 利用者さんへの価値提供を最優先に考えること
- どのような組織・チームでありたいかを言語化すること
- 日々の小さな判断や対応に、その軸を反映し続けること
といった、とても地味で、しかし確実に組織を変えていく営みです。
こうした軸を持つ管理者は、声高にリーダーシップをアピールしなくても、自然とスタッフから頼られる存在になっていきます。
「カリスマがない」と悩む管理者ほど伸びる理由
「自分にはカリスマがない」と不安を抱く人ほど、実は管理者として大きく成長できる素質を持っています。
なぜなら、その裏側には、
- 自分を過信しない謙虚さ
- 周囲の声に耳を傾けようとする姿勢
- 失敗から学ぼうとする柔軟さ
があるからです。
これらは、組織マネジメントにおいて非常に重要な要素です。
カリスマ性の有無よりも、自分自身を振り返りながら、3つの資質を一つずつ積み重ねていけるかどうかが、管理者としての成長を大きく左右します。
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看護管理者に本当に必要な3つの資質

ここからは、看護管理者に本当に必要な3つの資質を、優先度の高い順に見ていきます。
- 資質①事業と組織を見誤らないバランス感覚
- 資質②組織のスタンスを明示する力
- 資質③目的・スタンスを伝えるコミュニケーション力
順番にも意味があります。①と②が土台にあって初めて、③のコミュニケーション能力が生きてきます。
看護管理者の資質① 事業と組織を見誤らない

最も重要で、全ての土台となるのが「事業と組織のバランス感覚」です。
管理者には、常に2つの視点が求められます。
- 事業の視点:患者さんや利用者さんに質の高いケアを提供し、事業所として成果を出すこと。
- 組織の視点:スタッフが働きやすい環境を整え、チームワークを高めること。
この2つはどちらも大切ですが、その「優先順位」を間違えてしまうと、組織は思わぬ方向に進んでしまいます。
【よくある間違い】「組織」を優先しすぎてしまう
特に、現場から昇進したばかりの管理者に多いのが、「スタッフのために」という思いが強すぎるあまり、組織の視点に偏ってしまうケースです。
- 「みんなに嫌われたくないから、厳しいことは言わないようにしよう」
- 「職場の雰囲気を良くするために、まずはみんなの意見を聞こう」
もちろん、スタッフを大切にする姿勢は素晴らしいことです。しかし、その結果、本来の目的である「より良いケアを利用者に届ける」という事業の視点がおろそかになっては本末転倒です。
気づけば、事業所は「仲良しクラブ」のようになり、成長が止まってしまいます。これでは、結果的に利用者さんにも、そして志を持って働く他のスタッフにも不利益をもたらしかねません。
【ポイント】正しい主従関係を意識しよう!
大切なのは、「事業目的を達成するために、どのような組織を作るべきか?」という主従関係を常に意識することです。
私たちの仕事の目的は、あくまで患者さん・利用者さんへの価値提供です。その目的を達成するための「手段」として、組織作りやスタッフとの関係構築があります。
この順番を間違えないこと。
それが、管理者として最初に身につけるべき最も重要なバランス感覚なのです。

看護管理者の資質② 組織の”スタンスを明示する”
事業と組織の正しいバランス感覚を身につけたら、次に必要になるのが「組織のスタンスを明確に示す力」です。
これは、「私たちの組織は何を大切にし、逆になにをやらないのか」という判断基準を、管理者自身の言葉でメンバーに指し示す力のことです。
スタンスが明確でないとどうなる?
組織としてのスタンスが曖昧だと、日々の判断が場当たり的になり、「管理者の好き嫌いで物事が決まっている」とメンバーに誤解されてしまう危険性もあります。これでは、どんなに管理者が公平に判断しようと努めても、不信感が募るばかりです。
だからこそ、管理者は、
「私たちの事業所としては、こういう理由で、この業務は行いません。その代わり、こちらの代替案を提案しましょう」
というように、組織としての一貫したスタンスを明確に示し続ける必要があります。
それは、管理者個人の考えではなく、あくまで組織としての方針です。組織方針をメンバー全員と共有することで、チームは同じ方向を向き、一貫性のあるサービスを提供できるようになるのです。
看護管理者の資質③ 目的とスタンスを“伝え続ける”

そして3つ目に、ようやく「コミュニケーション能力」が登場します。
なぜ3番目なのかというと、コミュニケーションはあくまで「何を伝えるか」という中身があって初めて意味を持つからです。
「事業目的」や「組織のスタンス」という伝えるべき中身(=メッセージ)があってこそ、コミュニケーションスキルが活きてきます。
【よくある間違い】一度で伝わると思わない
ここで重要なのは、「一度言ったから伝わったはず」と思い込まないことです。
人は、一度聞いただけで物事を完璧に理解し、記憶し続けることはできません。また、組織には新しいメンバーも入ってきます。
【ポイント】粘り強く伝え続ける
だからこそ、管理者は大切なメッセージを、手を変え品を変え伝え続ける必要があります。朝礼で話す、ミーティングで議題にする、面談で個別に伝えるなど、あらゆる機会を捉えて、組織の目的やスタンスを浸透させていくのです。
もちろん、メンバーそれぞれに価値観や考え方の違いはあります。時には、方針に納得してもらえないこともあるでしょう。それでも、なぜこの方針が組織にとって重要なのか、その背景にある想いや理由を丁寧に説明することが大切です。
地道なコミュニケーションの積み重ねが、強い組織を作ります。

看護管理者に必要なのは“3つの資質”だけ!

今回は、看護管理者に本当に必要な3つの資質について解説しました。
- 事業と組織のバランス感覚:目的と手段を履き違えない。
- 組織のスタンスを示す力:判断基準を明確にし、チームの方向性を統一する。
- コミュニケーション能力:目的とスタンスを粘り強く伝え続ける。
この3つは、生まれ持った才能ではなく、日々の意識と実践によって誰でも身につけていくことができるものです。
私自身、今でも失敗の連続ですが、この3つの原則に立ち返ることで、何度も組織を立て直すことができました。この記事が、管理者として働くあなたを少しでも明るく照らす一助となれば幸いです。
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