【実例あり】訪問看護は未経験でも挑戦できる?成長につなげる5つのコツと不安解消ポイントを徹底解説!

「訪問看護に興味はあるけど、未経験でもできるの?」
「訪問看護に向いている人ってどんな人?」
などの疑問を抱えている看護師の方は少なくないでしょう。
結論、訪問看護は未経験からでも十分にチャレンジ可能です。多くの看護師が病院経験のみの状態から訪問看護に転職し、活躍しています。高齢化が進み、在宅医療の需要が高まるなか、訪問看護師の活躍の場はますます増えていくでしょう。
本記事では、訪問看護に必要な資格やスキル、未経験者が成長できる職場選びのコツを解説しています。実際に新卒や未経験から訪問看護にチャレンジした看護師の事例も紹介しています。ぜひ最後までお読みください。
目次
未経験でも訪問看護で成長できる!必要なのは看護師免許と意欲

訪問看護師として働くために必要な資格は、看護師免許だけです。特別な認定資格や追加の免許は必要ありません。訪問看護に挑戦したいという意欲と学んでいく姿勢さえあれば、誰でもスタートラインに立てます。
ただし、病院看護と訪問看護では、業務内容やアセスメントの視点が大きく異なります。例えば、訪問看護では利用者の生活全体を視野に入れた包括的な支援が求められるのが特徴です。病院では治療に重点を置いているのに対し、在宅では「その人らしい生活の実現」へと軸足が移ります。
訪問看護師としてのスキルは、現場での実践を通じてこそ習得できます。最初から完璧である必要はありません。経験を積み重ねることで、必要なスキルは自然と身についていくでしょう。
未経験者が知っておきたい訪問看護に重要な5つのスキル

未経験から訪問看護の世界に飛び込む際、以下の5つのスキルが重要です。
- 在宅生活思考力
- コミュニケーション力
- 観察力
- 臨機応変な対応力
- 判断力
これらのスキルは入職時に持ち合わせている必要はありません。実践を通じて磨いていきましょう。
1. 在宅生活思考力
在宅生活思考力とは、病気の治療だけでなく、「その人がどう生きたいか」に寄り添う力です。家庭環境や家族の支援状況、経済的な背景なども考慮したうえで、利用者の生活の質(QOL)を高めるケアを提供します。
例えば、脳梗塞後の患者さんの場合、病院では「リハビリによる機能回復」が主な目標となります。在宅では「家族と一緒に過ごしたい」「近所の公園まで散歩に行きたい」など、利用者の希望を実現するための支援が重要になります。
2. コミュニケーション力
利用者や家族との信頼関係を築くためには、共感力とコミュニケーション力が重要です。医学的な知識を相手にわかりやすく伝える技術や、相手の気持ちに寄り添う姿勢が求められます。
また、訪問看護では医師・薬剤師・ケアマネジャー・ヘルパーなど、さまざまな職種との連携が必要です。多職種との円滑なコミュニケーションにより、利用者にとって最適なケアチームを構築していきます。
3. 観察力
短時間の訪問のなかで体調の変化を見抜き、異常の兆候を察知するスキルも重要です。バイタルサインの測定だけでなく、表情・声のトーン・歩き方・食事の摂取状況など、さまざまな情報から利用者の状態を総合的に判断します。
さらに、生活環境の変化や家族の様子にも敏感に気づける洞察力が重要です。家族の疲労やストレスを早期に発見し、適切な支援につなげることも訪問看護師の大切な役割です。
4. 臨機応変な対応力
病院のように医療機器や物品が豊富に揃っていない環境で、限られた資源を活用したケアを行う必要があります。利用者のニーズや状況に合わせて、創意工夫をしながら柔軟に対応する姿勢が求められます。
例えば、褥瘡予防のための体位変換用具がない場合、家庭にあるクッションやタオルを活用して効果的なポジショニングを行うなど、現場での工夫が重要になります。
5. 判断力
緊急時に医師への報告が必要か、自分の判断で処置を行うかなど、現場で即座に判断する力が重要です。利用者の安全を最優先に考えながら、適切な対応を選択する能力が求められます。
もちろん、判断に迷う場合はチームでの相談や支援体制が整っており、未経験者でも段階的に判断力を身につけていくことが可能です。
訪問看護未経験者が成長できる事業所選び「5つのコツ」

未経験から訪問看護にチャレンジし、成長するためには、複数の視点から事業所を検討することが重要です。
本章では、失敗しない職場選びのための5つのコツを詳しく解説します。
1. 新人教育制度・受け入れ体制を確認する
未経験者にとって最も重要なのは、教育・サポート体制が整っているかです。以下のポイントを確認しましょう。
- OJT(現場同行)や定期研修の有無
- プリセプター制度など個別指導体制があるか
- 新卒や若手の採用実績があるか
- 新卒や若手の採用実績がなくてもチャレンジしたいと思える事業所か
未経験者を受け入れた実績がある事業所は、教育体制がしっかりと構築されており、安心してスタートできる環境が整っている可能性が高いです。具体的な教育プログラムの内容について質問すると入職後のイメージができるでしょう。
また、多くの事業所では、新卒の採用実績がありません。新卒からチャレンジしたいと考えている場合、教育制度が整っていなくても、自分が1人目としてチャレンジしたいと思えるステーションかどうかのチェックが重要です。
2. 訪問件数やオンコール対応などの勤務条件を確認する
いきなり多くの訪問件数を任されると、未経験者には大きな負担となります。また、訪問看護の介入の意図や意味をしっかりと意味づけできないまま訪問を続けると、単なる作業的なケアしかできない訪問看護師になってしまいます。そのため、以下の条件をチェックしましょう。
- 訪問件数を段階的に増やす教育ステップがあるか
- オンコール(夜間・休日対応)の頻度や訪問件数に無理がないか
- 育児や家庭事情に配慮した勤務調整ができるか
- 残業時間や休日出勤の実態について
無理のない働き方ができる環境かを見極めることで、長期的に働き続けられ、成長できる職場選びにつながります。
3.適切な評価体制があるかを確認する
給与や福利厚生の充実度を比較するだけでなく、経験年数やスキルの向上が正しく評価される仕組みがあるかを確認することが重要です。
- 給与や手当の水準だけでなく、昇給制度の有無
- 成長や実績が人事評価に反映される体制があるか
- 事業所の理念やビジョンが自分の価値観と合っているか
- 資格取得支援や研修参加への補助制度の有無
一時的な待遇条件だけでなく、長期的な視点で成長できそうな職場を選ぶことが、充実したキャリアを築くためのポイントです。高い年収や休みの多さだけを謳った求人や広告は非常に多いので、安易に意思決定にならないように注意しましょう。
4. 人材紹介会社を活用する
訪問看護に特化した人材紹介会社を活用することで、以下のメリットが得られます。
- 訪問看護業務に関する疑問点の解消
- 希望条件の整理やキャリア相談
- 公開されていない非公開求人の紹介
- 事業所の内部情報や実際の職場環境に関する情報提供
- 面接対策や条件交渉のサポート
『UPDATE CARRER訪問看護』では、新卒から訪問看護師として働いた経験のあるキャリアアドバイザーが、キャリア相談や転職相談を通して訪問看護への疑問・不安を解消します。
丁寧なカウンセリングのうえで、一人ひとりに合った職場探しをお手伝いします。訪問看護師として挑戦することを悩んでいる方は、以下のフォームよりぜひご相談ください。
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またUPDATE 代表の小瀬が、新卒訪問看護師として経験を積む中で作った教育プログラムは以下の書籍にまとまっています。新卒訪問看護師1~2年目の日記もかいてありますので、ご興味のある方はお手に取ってみてください。
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5.職場見学で実際の雰囲気を確認する
求人情報だけではわからない職場の雰囲気を肌で感じられるのが職場見学です。仕事内容や職場の雰囲気をしっかりと把握するため、職場見学や同行訪問を行うことがおすすめです。
- 勤務しているスタッフの様子を見学
- スタッフとの交流で疑問点を解消
- 新入スタッフを歓迎する雰囲気があるかを確認
- 事業所の清潔感や設備状況をチェック
- 同行訪問を通して、自分が仕事にワクワクできるかを確認
「ここで働きたい」と心から思えるかは重要な判断軸です。直感的な職場への印象を大切にしながら、総合的に判断しましょう。
未経験から訪問看護に挑戦した看護師の実例紹介

実際に未経験から訪問看護にチャレンジした看護師の体験談をご紹介します。リアルな声を参考に、訪問看護への道筋をイメージしてみてください。
新卒で訪問看護にチャレンジしたMさん
新卒から訪問看護に挑戦したMさんから、エントリーする際に悩んだことや、訪問看護の現場で感じたやりがいについて話を伺いました。
新卒でエントリーする際に悩んだこと
エントリー時は、「病院で経験するような技術を身につけられないと、将来的に病院で働いてみたくなったときにできるのか」という不安を抱えていたMさん。しかし、実際には新卒から訪問看護師を育てている事業所を見学したり、働いている先輩から話を聞いたりするうちに、教育体制への心配はなくなったそうです。
また前向きな先輩方を目の当たりにして、訪問看護に挑戦したい気持ちが強くなったとのこと。チャレンジすることに対してそこまで悩むことはなく、むしろ大学の先生や周囲からの心配が大きかったそうです。
新卒で訪問看護にチャレンジして大変だったこと
Mさんが大変だと感じたのは、幅広い疾患の知識が求められることです。訪問看護の現場では、難病の方の呼吸器管理・褥瘡をはじめとする皮膚トラブル・ターミナルの方のお看取り・認知症の方への対応など、さまざまな知識と技術が求められます。はじめのうちは勉強が追いつかず、何をどこまでやったらいいのか、キャパオーバーだったそうです。
訪問看護の現場には、さまざまなバックグラウンドをもつ看護師がいます。そのため、先輩によって指導内容が異なり、困惑することもあったそうです。
一方で、一人で現場に向かう点に関しては、あまり不安はなかったとMさんはいいます。「新卒だったこともあり、安心できるまで同行訪問してもらえました。独り立ちしてからも電話ですぐ相談でき、必要時には先輩が来てくれたのが心強かったです。」とのことです。
新卒で訪問看護にチャレンジして感じたやりがい
「看護師として自分が大事にしたい根っこの部分を養ってもらえたと思っています。」と話すMさん。やりがいを感じた点は大きく2つあるといいます。
一つは利用者さんとそのご家族、一人ひとりに向き合って、その方のことを知り細やかな配慮をしながらケアしていくこと。もう一つは、ご家族や医師・ケアマネ・ヘルパーなど、利用者さんを取り巻く方々と連携して動けたときにやりがいを感じたそうです。
「病院で働いた場合と比べると経験できないものもあるけれど、どこの職場でも生かせる考え方を身につけられました。」とMさんはいいます。医療的介入だけでなく利用者さん本人や家族の意思・生活とバランスを考えたケアを提供することや、多職種とお互いを尊重しながら連携していくことなどを訪問看護の現場で学べたそうです。
総合病院から訪問看護ステーションに転職したYさん
総合病院から訪問看護の道に進んだBさんから、未経験で訪問看護にチャレンジする際に悩んだことや総合病院とのギャップ、訪問看護のやりがいについて話を伺いました。
総合病院から訪問看護に挑戦するうえで悩んだこと
Yさんは経験3年目で訪問看護に挑戦しました。「臨床経験が浅いと感じており、自分の経験値でやっていけるか?」という不安があったそうです。実際には一人で訪問する自信がつくまで先輩看護師に同行してもらえたため、不安は軽減したとのこと。
一方で、「病院での臨床経験をもう少し積んで、アセスメント力を高めてから転職した方がよかったかな?」という思いもあるようです。Yさんは「アセスメントに自信がつけば、先輩への相談の電話を減らせるうえ、自分で対応できる範囲が広がり患者さんのためにもなる。」と感じていました。
また、総合病院に比べると年収が下がってしまうことや、規則的なワークスタイルで働けることなど、年収とワークライフバランスについて悩んだとYさんはいいます。
訪問看護ステーションへの転職の決め手となったポイント
学生の時から訪問看護に興味があったことから、チャレンジしたい気持ちを優先したYさん。医療法人の訪問看護ステーションであり、経営母体がしっかりしていると感じたこともポイントだったそうです。
総合病院から訪問看護ステーションへの転職後のギャップ
Yさんは、総合病院よりも縛りが少なく、自由に働けることに訪問看護の魅力を感じています。訪問前後の移動時間が休憩と重なれば、私用の買い物をするなど、時間を有効利用できるそうです。
訪問看護のやりがい
Yさんが感じる訪問看護のやりがいは、利用者さんだけでなく、ご家族や生活背景などを深く知って看護ができることです。
「在宅では利用者さんと長期間関わることが多く、その人を深く理解して関係性を構築し、ケアにつなげていく過程がおもしろいです。」とYさんはいいます。
訪問看護を未経験から始める際の不安解消Q&A

訪問看護を未経験から始める際によくある疑問や不安について、Q&A形式で詳しく解説します。事前に疑問を解決しておくことで、より安心して訪問看護への第一歩を踏み出せるでしょう。
訪問看護と病院看護の違いは?
訪問看護と病院看護の業務内容・やりがい・労働条件の違いを以下の表にまとめました。
項目 | 訪問看護 | 病院看護 |
---|---|---|
業務内容 | ・患者の自宅での看護ケア ・健康状態の観察・アセスメント ・服薬管理・指導医療処置(点滴、褥瘡処置など) ・リハビリテーション支援 ・家族への介護指導主治医との連携・報告 ・ケアマネジャーとの調整 | ・入院患者の24時間看護 ・医師の診療補助 ・投薬・点滴管理 ・手術前後のケア ・検査の介助・準備 ・患者の日常生活援助 ・カルテ記録・申し送り ・医療機器の管理 |
やりがい | ・患者・家族と深い信頼関係を築ける ・生活環境を踏まえた個別ケアができる ・自律的な判断・実践の機会が多い ・在宅での生活継続を支援できる看護の専門性を発揮しやすい ・地域医療への貢献を実感できる | ・急性期医療で生命を救う実感 ・最新の医療技術・知識を学べる ・チーム医療の一員としての達成感 ・多様な症例を経験できる ・専門分野でのスキルアップ ・回復過程を間近で見守れる |
勤務形態 | ・日勤中心(9:00-18:00が一般的) ・オンコール対応がある場合も ・直行直帰が可能な場合あり ・比較的規則的な勤務 | ・2交代制・3交代制のシフト勤務 ・夜勤あり(月4-8回程度) ・土日祝日も勤務残業が発生しやすい ・不規則な生活リズム |
給与・待遇 | ・基本給:月25-35万円程度 ・夜勤手当なし(日勤のみの場合) ・オンコール手当あり ・訪問件数による歩合制の場合も ・交通費支給 | ・基本給:月23-30万円程度 ・夜勤手当で収入増(月5-8万円) ・各種手当充実(住宅・家族手当等) ・賞与が安定やすい ・福利厚生が充実 |
訪問看護はどんな人に向いていますか?
訪問看護に向いている方の特徴は以下のとおりです。
- 主体的に考えて、責任をもって行動できる方
- 一人ひとりの利用者さんと深い関わりを大切にしたい方
- 規則的な勤務時間で、ワークライフバランスを重視したい方
- 利用者さんの生活全体をサポートしたい方
- 地域医療に貢献したい方
一方、向いていない可能性がある方の特徴として、以下が挙げられます。
- 高度な医療技術の習得を最優先したい方
- 夜勤手当や残業代などで高収入を希望する方
- 一人での訪問に強い不安がある方
- 常に答えが明確な環境で看護を行いたい方
上記は一般的な傾向であり、事業所によって異なる点や、実際に働いてみなければわからないことも多くあります。まずは情報収集から始めてみることをおすすめします。
一人で患者宅を訪問するのが心配です
最初から一人で訪問することはありません。多くの事業所では、先輩看護師との同行訪問期間を確保し、段階的に自立する体制を整えています。
また、緊急時の連絡フローやマニュアルも整備されていることがほとんどです。困った時はいつでも事業所に相談できます。
不安に感じるのは自然なことであり、あなただけではありません。適切なサポートを受けながら徐々にスキルアップしていけば、一人でも自信をもって訪問できるようになるでしょう。
新卒でも訪問看護は可能ですか?
新卒から訪問看護に挑戦することは可能です。ただし、採用に積極的な訪問看護ステーションはまだ数少ないのが事実です。
以下のメリットとデメリットを考慮し、判断するとよいでしょう。
新卒から訪問看護にトライするメリット
- 病院経験がない分、在宅看護の考え方が浸透しやすい
- 早期から在宅看護の経験を積めるため、将来のキャリアの幅が広がる
新卒から訪問看護にトライするデメリット
- 基礎的な看護技術の習得に時間がかかる場合がある
- OJT体制が整っていないと不安が増強する可能性がある
新卒で訪問看護を選択する場合は、特に教育体制が充実している事業所を選ぶことが重要です。
訪問看護でキャリアアップはできますか?
訪問看護のキャリアパスとして、以下の例が挙げられます。
- スペシャリスト:看護実践力を高めるジェネラリスト、特定分野の専門性を追求
- マネジメント:後輩育成やチームマネジメント、管理者・所長への昇進
- 教育・研究:認定看護師や専門看護師資格の取得、教育機関での指導
- 起業・独立:訪問看護ステーションの開設、コンサルティング業務
訪問看護の経験は、地域包括ケアの中核を担う貴重なスキルとして高く評価されるでしょう。あなたのやる気次第で、多様なキャリア選択が可能です。
まとめ:訪問看護未経験でも十分チャンスはある!

訪問看護は、病院看護とは異なる魅力とやりがいが感じられる分野です。「未経験だから無理」と決めつける必要はありません。
実際に、多くの看護師が未経験から訪問看護に転職し、活躍しています。適切な教育体制とサポートを受けながら、段階的にスキルアップしていけば、訪問看護師として成長可能です。できるだけ早めにチャレンジすることで、成長の幅が広がるでしょう。
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