訪問看護で「やりがい」を感じる瞬間・理由とは?やりがいを感じ続けるためのヒントを徹底解説!

病棟勤務での多忙な環境から離れ、
「患者さんとじっくり関わる看護がしたい」
「もっと看護師としてやりがいを感じたい」
と感じていませんか?
このような思いから、利用者一人ひとりと長期的に関われる訪問看護に関心をもつ方は少なくないでしょう。
本記事では、訪問看護師がやりがいを感じる瞬間や理由、やりがいを感じ続けるためのヒントを解説します。
この記事を読めば、訪問看護ならではのやりがいを具体的にイメージできるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
目次
訪問看護でやりがいを実感する3つの瞬間とは?

訪問看護師は、他の現場で働く看護師よりも強いやりがいを感じていることを示すデータがあります。
日本医労連が行った調査では、訪問看護師の約30%が「強いやりがいを感じている」と回答しています。これは一般病棟や介護施設に勤務する看護師の割合(約8%)と比べ、高い水準です。
本章では、訪問看護の現場でやりがいを感じる、3つの場面を紹介します。
参考文献:日本医労連・全大教・自治労連 2022 年看護職員の労働実態調査 記者発表資料 p.13
1.在宅療養者の生活を支えられていると感じたとき
特にやりがいを実感するのが、利用者さんの生活を支えられていると実感できたときです。
具体的には、次のケースが挙げられます。
- 褥瘡の再発予防ケアを続けた結果、再発なく経過している
- 終末期の支援で、本人の希望を尊重し、自宅で最期まで過ごせるようサポートできた
このように、継続的な関わりを通じて利用者さんの変化を見届けられます。
介入の結果、利用者さんがその人らしく生きている姿に、看護師としての存在意義を強く感じるでしょう。
2.感謝されたとき
利用者さんや家族から「ありがとう」と言われる瞬間は、訪問看護師にとって大きな励みになります。
寄り添う気持ちが相手に伝わり、感謝の言葉として返ってきたとき、仕事への誇りを感じるでしょう。
たとえば、訪問看護師がわずかな体調の変化に気づいたことで、医師と連携して迅速な対応を取れるケースがあります。その結果、利用者さんや家族から「来てくれて本当に助かった」と感謝されることもあります。
感謝の言葉を受け取ると、これまでの関わり方やケアに意味を感じられ、やりがいにつながるでしょう。
3.信頼関係を築けていると感じたとき
訪問を重ねるなかで、信頼されていると感じるときも、大きなやりがいを感じられるでしょう。
日々の関わりのなかで利用者さんから信頼され、関係性を深めていく過程も訪問看護の醍醐味です。
利用者さんが自分の体調や生活の悩みを自然と話してくれるようになったときがその一例です。看護師としてだけでなく、一人の人間として信頼されている証といえるでしょう。
訪問を繰り返し、信頼関係を築けると、利用者さんの表情にも変化が表れます。不安げだった表情が和らぎ、その人らしさが垣間見えるたびに、喜びを感じられます。
やりがいにつながる「訪問看護の役割」とは?

訪問看護師は、医療と生活の両面を支える存在です。療養中の利用者さんが安心して自宅で暮らせるよう、多様な役割を担っています。
主な業務内容は次のとおりです。
- 医療的ケア:点滴・褥瘡処置・服薬管理などの処置対応
- 生活支援:入浴・排泄・リハビリなど、QOLの維持
- 家族支援:家族への介護指導や精神的サポートによる不安の軽減
- 多職種連携:医師やケアマネなど多職種との情報共有・調整
- 看取り支援:本人と家族の希望に沿った終末期ケアやグリーフケア
参考記事:訪問看護の仕事内容とは?具体的な業務と役割について解説
訪問看護でやりがいを感じる3つの理由とは?

目の前のケアに全力を尽くすなかで、仕事の意味を感じられる瞬間は、何よりの励みとなるでしょう。
本章では、訪問看護ならではの、やりがいを感じられる理由を掘り下げます。
1.利用者の生活に深く関われる
訪問看護では、病院では見えにくい利用者さんの生活全体を把握できます。
自宅というプライベートな環境だからこそ、利用者さんらしい生き方を一緒に模索できるのが病院看護との違いです。
たとえば生活習慣、家族との関係性などを踏まえ、生活リズムの調整や住環境の工夫を行います。
また、退院後の不安が大きい時期に、看護師として寄り添えるのも大きな特徴です。
急性期を経たあとのケアを継続できる点は、訪問看護ならではの魅力といえます。
2.社会的意義を感じられる
高齢化が進み、在宅医療のニーズが高まるなかで、訪問看護の果たす役割も拡大しています。
病院では対応しきれない生活支援を担うことで、住み慣れた地域での暮らしを支える力になります。
社会の変化と向き合いながら、その一端を支えているという実感が、日々のやりがいにつながるでしょう。
3.将来性のあるキャリアを築ける
訪問看護の経験を積むことで、キャリアの選択肢が広がる点も、やりがいにつながるポイントといえるでしょう。
代表的なキャリアパスは以下の3つです。
- 専門性を高める:認定看護師や専門看護師などの資格取得を目指し、専門分野で活躍する
- 管理者として活躍する:管理職や教育担当など現場でのマネジメントスキルを高める
- 独立・開業する:訪問看護ステーションを開業したり、訪問看護関連事業を起こしたりする
在宅医療のニーズが高まるなかで、いずれも将来性のあるキャリアといえるでしょう。
将来を見据えて成長し続けたい方にとって、訪問看護はやりがいを感じやすいフィールドです。
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訪問看護でやりがいを感じ続けるための3つのヒント

訪問看護は他の現場に比べてやりがいを感じやすい一方で、大変さを感じる場面もあります。
ここでは、やりがいを持続させるための具体的なヒントを3つ紹介します。
1.相談しやすい環境で働く
訪問看護では、一人で判断を求められることが少なくありません。そのため、気軽に相談できる体制があるかどうかは、安心して働き続けるうえで大切なポイントです。
たとえば、定期的なカンファレンスやミーティングが設けられている職場では、困りごとを早めに共有できます。上司や先輩が話を聞いてくれる文化が根づいているかも重要です。
また、事業所内だけでなく、地域の看護師同士がつながれる仕組みがあると、孤独感の軽減にもつながります。相談できる人がそばにいることで、不安が和らぐでしょう。
2.小さな成功体験を積み重ねる
訪問看護は、成果がすぐに目に見える仕事ではありません。日々の業務のなかで中長期的な目標を立て、少しずつ達成していくことが成功体験となり、やりがいの持続につながります。
たとえば、利用者さんから感謝されたことや上司からポジティブなフィードバックをもらったことなどを記録しておきましょう。
定期的に目標達成状況を確認し、目標を見直すことも効果的です。
3.学び続けることで自信をつける
訪問看護では、幅広い疾患や生活背景への対応が求められるため、継続的な学びが欠かせません。
知識と経験の積み重ねにより、自信をもてるようになるでしょう。
学びを深める方法として、以下の例が挙げられます。
- 各分野に詳しい先輩を探してアドバイスをもらう
- eラーニングや外部研修に参加して理解を深める
- 専門資格の取得を目指す
- 症例検討会で積極的に発言する
- 部署内で勉強会を開催する
明確な学習目標を立てることも有効です。少しずつでも前進している実感があれば、迷いや不安が薄れ、自信につながります。
学んだことをケアに活かせたとき、より一層やりがいを感じられるでしょう。
訪問看護のやりがいに関するよくある質問

訪問看護に関してよくある質問を取り上げながら、やりがいや実際の働き方についてわかりやすく解説します。
訪問看護の1日の流れを教えてください
訪問看護師の1日は、以下の流れで進みます。事業所によって多少の違いはありますが、基本的な動きは共通しています。
時間帯 | 業務内容 | 詳細 |
朝(出勤・準備) | ミーティング・準備 | ・ステーションで朝のミーティング実施・訪問スケジュールの確認・利用者情報の共有・必要物品の準備・出発 |
午前(訪問業務) | 訪問看護業務 | ・2〜3件の訪問・バイタルチェック・清潔ケア・服薬管理・点滴処置・褥瘡処置・訪問記録 |
昼休憩 | 休憩 | ステーションに戻ることもあれば、次の訪問先近くで休憩することもある |
午後(訪問業務) | 訪問看護業務 | ・2〜3件の訪問・バイタルチェック・リハビリ支援・ご家族へのアドバイス・訪問記録 |
夕方(帰所・記録・報告) | 事務処理・報告 | ・ステーションへ帰所・訪問記録・計画書の作成・多職種への報告 |
その他 | 付帯業務 | ・カンファレンス参加・オンコール対応の引き継ぎ・必要に応じて実施 |
利用者さんとじっくり向き合う時間を確保できる働き方でありながら、業務の見通しが立てやすい点も訪問看護の特徴です。
訪問看護のメリット・デメリットを教えてください
訪問看護には多くの魅力がありますが、注意すべき点もあります。
ここでは、代表的なメリットとデメリットを紹介します。
■ メリット
- 信頼関係を築ける時間があり、利用者さんと深く関われる
- 夜勤がなく、生活リズムを整えやすい働き方が選べる
- オンコールの有無や勤務形態など、柔軟な働き方を選択できる
- 子育てや副業との両立がしやすい勤務体系の職場が多い
- 判断力や対応力が問われる場面が多く、専門性が正当に評価されやすい
■ デメリット
- 緊急時の対応や一人での判断が必要な場面があり、精神的な負担になりやすい
- 教育体制にばらつきがあり、事業所によってはサポートが不十分なこともある
- 急性期で培った医療技術を活かす機会が少ない場合がある
- 人手不足や業務の偏りにより、休みが取りづらくなることがある
上記の特徴を理解し、自分に合った職場や働き方をみつけることが大切です。
訪問看護を辞める理由にはどのようなものがありますか?
訪問看護はやりがいの大きい仕事ですが、合わないと感じて離職を選ぶケースもあります。主な理由として、以下が挙げられます。
- 単独訪問による不安や緊急対応のプレッシャーが大きく、精神的に負担がかかる
- 事前に聞いていた職場のイメージと、実際の現場にギャップがある
- 教育やサポート体制が不十分で、業務に対する自信がもてない
- スタッフ不足やシフトの偏りにより、休みが取りにくく私生活との両立が難しい
ギャップによる離職を防ぐためには、説明会や見学会に参加し、積極的に質問することが大切です。
訪問看護に向いている人の特徴を教えてください
訪問看護は病院看護とは異なる資質が求められます。以下に当てはまる方は、訪問看護に向いている傾向があります。
- 状況に応じて冷静に判断し、自立して行動できる
- 利用者さんや家族、多職種と良好な関係を築ける
- 知識やスキルの習得に前向きで、継続的に学ぶ意欲がある
これらの特性すべてを、入職時に身につけておく必要はありません。働きながら身につけていく意欲が何より大切です。
参考記事:訪問看護で働くメリット・デメリットと向いている人・向かない人を徹底解説! | 株式会社UPDATE
まとめ:訪問看護のやりがいを知って不安を希望に変えよう!

訪問看護は、利用者さんとの深い関係性を築けるやりがいある仕事です。生活を支えられていると実感できたときや、感謝の言葉をもらったとき、深い充実感を得られるでしょう。
自宅での継続的なケアを通して、その人らしい生き方を一緒に模索する過程も魅力の一つです。
やりがいを感じられる一方で、単独訪問による不安や課題を感じることもあります。
1人で悩まず、周囲の力を借りながら自分に合った職場を探し、学び続けることで乗り越えられるでしょう。
株式会社UPDATEでは、訪問看護へのチャレンジに不安がある方に向けた相談サービスを行なっています。
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