「優しいだけの看護管理」は危険?組織崩壊の原因と3つのマネジメント改善策を解説!
「風通しが良く、みんな仲が良く、優しい職場」。
これは、多くの看護管理職が理想として思い描く現場の光景です。
しかし、あなたが良かれと思って実践している“優しさ”が、実は組織を内側から静かに崩す原因になることがあります。
本記事では、現場で実際に起こりやすい「優しいだけのマネジメント」が引き起こす問題について解説します。また、より強い組織をつくるための3つのマネジメント改善策について徹底解説します。
マネジメント力を高め、頼られる看護リーダーになりたい方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
優しいだけの看護管理が危険な理由

お互いを尊重し、助け合える優しい職場は理想です。表面上の優しさが悪いわけではありません。
しかし、「優しい=何も言わない」「優しい=指摘しない」という状態が続くと、組織の規律や公平さが徐々に崩れていきます。必要な指摘や改善が行われない“甘さ”が組織に蔓延する恐れがあります。
マネジメントには必ず主作用(効果)と副作用があります。「優しさ」という一見ポジティブな要素も、方向を間違えれば、気づかないうちに組織全体のパフォーマンスを落とす原因となるのです。

優しいだけの看護管理が引き起こす3つのリスク

優しさそのものよりも、「優しさ一辺倒」になることが危険です。
特に看護管理職が“伝えるべきことを言えない”状態が続くと、組織には歪みが蓄積していきます。
ここでは、多くの現場で実際に起きている3つの重大リスクを解説します。
リスク1:頑張っている人が損をする「不公平」な環境がつくられる
管理職が陥りやすいのが、「みんなに平等に接しなければならない」という思い込みです。
しかし仕事への姿勢は人それぞれで、成果を出す人もいれば、最低限の仕事しかしない人もいます。
もし、その両者を同じように扱ってしまったら?
- 「真面目に取り組んでいる自分と、あの人が同じ評価?」
- 「頑張っても報われないなら、もういいや…」
と感じる人が増えていきます。
結果として、離れていくのは「組織に貢献している人」「成長意欲が高い人」からです。
これは組織にとって、最大の損失です。
リスク2:成長機会を奪い、組織全体が停滞する
「嫌われたくない」
「厳しいことを言って関係性を壊したくない」
こうした心理から、指導やフィードバックを避けてしまう管理職は少なくありません。
しかし、指摘されないということは、本人にとって以下を意味します。
- ミスが改善されない
- 成長するきっかけがない
- スキルが上がらない
つまり、“優しいだけ”はその人の成長を奪う行為でもあるのです。
そして、健全な緊張感を失った組織は規律が緩み、全体の生産性が落ちていきます。
そして、「なんとなくうまくいかない組織」になっていきます。
リスク3:やる気のある人が辞めていき、組織が崩壊する
努力しても評価されず、成長の機会がない環境の場合、真っ先に離職するのは、向上心のある人です。
そして、残るのは以下のような層です。
- 楽をしたい人
- 現状維持を望む人
- 組織の理念に興味がない人
こうしたメンバー中心の組織で、理念達成やサービス向上を実現することは極めて困難です。
優しいだけのマネジメントは、静かに、しかし確実に組織を蝕んでいくでしょう。
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看護管理者が組織を強くする3つのポイント

多くの管理者が、「厳しくすればパワハラに見える」「優しくすれば組織が緩む」というジレンマに悩んでいます。
重要なのは、優しさを“捨てる”ことではなく、優しさの向けどころを正しくすることです。
ここからは、強くしなやかな組織をつくるための具体的な3つのポイントを紹介します。
ポイント1:「みんな」ではなく「仲間」を定義する
組織は“船”に例えられますが、管理職が守るべきは全員ではありません。
大切にすべきは、同じ方向を向いて船を漕いでくれる仲間です。
仲間とは…
- 組織の理念に共感し
- 行動基準を守り
- 目標に向かって貢献しようとする人
このような人たちが最大限力を発揮できる環境を整えることが、管理者に求められる「本当の優しさ」です。
ポイント2: 理念や価値観を「公平な基準」にする
公平とは「全員に同じ対応をすること」ではありません。
理念を軸に判断することが、真の公平です。
- 基準に沿って行動している仲間には
→ 正当に評価し、感謝を伝え、成長をサポートする(=優しさ) - 基準から外れる行動には
→ なぜ問題なのか、理念とどうズレるかを伝える(=厳しさ)
これは好き嫌いではなく、船を目的地に導くために必要な舵取りです。
ポイント3: 最初に「軸」を徹底的に共有する
新しいメンバーが入ったタイミングは、最も“価値観の刷り込み”がしやすい段階です。
業務マニュアルだけでなく、以下のような組織の軸を丁寧に伝えることが大切です。
- 何を大切にしている組織なのか
- どんな未来を目指しているのか
- なぜこの行動基準があるのか
- あなたには何を期待しているのか
この初期教育が徹底されていると、後のフィードバックに一貫性が出て、組織全体の軸がぶれません。

看護管理者にとっての優しさはメリハリから生まれる

“優しいだけ”のマネジメントは、一見良さそうに見えても、結果的には努力する人を追い出し、組織の成長を止めてしまう危険な状態です。
理想の組織をつくるためには、理念を軸とした「優しさ」と「厳しさ」のメリハリが欠かせません。
それは時に勇気のいる選択かもしれませんが、仲間を守り、組織を成長させるための“リーダーとしての優しさ”と言えるでしょう。
そして、こうした「軸を持ったマネジメント」を実践するには、感覚だけではなく体系立てて学ぶ機会が必要です。
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