訪問看護の新人教育でよくある失敗とは?今日からできる3つの改善策を徹底解説!
訪問看護で新人教育をするなかで、
「後輩指導を任されたけれど、どう教えたらいいか分からない」
「良かれと思って指導しているのに、新人が萎縮している気がする」
「先輩によって言うことが違い、新人が混乱している…」
などのお悩みを抱えていませんか?
熱意を持って指導すればするほど、なぜかうまくいかないことも少なくないでしょう。
しかし本当の原因は、指導者側が陥りがちな「NG行動」にあるかもしれません。
本記事では、訪問看護の新人教育でよくある失敗を3つピックアップし、具体的な改善ポイントを詳しく解説します。
この記事を読めば、明日からの新人との関わりが楽になるでしょう。ぜひ最後までお読みください。
目次
訪問看護で新人教育が必要な理由

組織として質の高いサービスを安定して提供し続けるためには、誰もが一定水準以上の知識と技術を身につける必要があります。その土台を作るのが、新人教育です。
特に医療や介護のような専門職の世界では、サービスの質が利用者の生命や生活に直結します。個人のスキルや経験則だけに頼ったバラバラなケアは、サービスの質の低下や重大な事故につながりかねません。
また、適切な教育は新人の早期離職を防ぎ、組織への定着を促す効果もあります。「この職場で成長できる」という実感は、新人にとって大きなモチベーションになります。
つまり、新人教育は単なる「お世話」ではなく、組織の未来を創るための「投資」と言えるでしょう。
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訪問看護の新人教育で注意すべき行動3選

続いて、新人訪問看護師の成長を妨げる3つのNG行動とその改善策を見ていきましょう。
NG例1:思考を奪う「なんでなんで攻撃」
新人がミスをした時や、思うような動きができなかった時、あなたならどんな言葉をかけますか?
「なんでこんなことしたの?」
「なんで分からなかったの?」
原因を究明しようとするあまり、つい「なんで?」と問い詰めてしまうことはありませんか?これを私たちは「なんでなんで攻撃」と呼んでいます。
この問いかけは、指導者側に悪気はなくても、受け手である新人にとっては詰問や叱責と捉えられがちです。何度も繰り返されるうちに、新人は次第に萎縮してしまい、思考停止に陥ります。
そして、最終的には「すみません、私の勉強不足です」と謝罪することしかできなくなってしまいます。
指導者側も、新人から具体的な原因や考えを引き出せないため、「この子はやる気がない」「責任感に欠ける」といったネガティブなレッテルを貼ってしまうという悪循環に陥ります。
【解決のためのヒント】
「なんで?」という言葉を完全に封印する必要はありません。大切なのは、その使い方です。
◾️悪い「なんで?」:過去の行動やミスを詰問し、相手を追い詰める問いかけ
例:「なんで報告しなかったの?」
◾️良い「なんで?」:物事の原理原則や、未来の行動を一緒に考えるきっかけとなる問いかけ
例:「この病気が進行すると、なんでこの症状が出るんだろうね?」
過去のミスを問い詰めるのではなく、未来に向けてどうすればうまくいくかを一緒に考えるスタンスが重要です。
「なんでできなかったの?」ではなく、「どうしたら次はうまくできそうかな?」と問いかけてみましょう。
この「どうしたら(How)」という未来志向の問いかけは、新人が自ら解決策を考えるきっかけを与え、主体的な学びを促します。過去を責めるのではなく、未来への一歩を共に踏み出すパートナーとして寄り添うことが、信頼関係を築き、成長を加速させるポイントとなります。
NG例2:新人の準備状態を無視した指導
指導に熱心な先輩ほど、自分の持つ知識や経験、仕事のやりがいなどを早く後輩に伝えたいと思うものです。しかし、その熱意が空回りしてしまうことがあります。
それは、新人のレディネス(Readiness)、つまり「学習の準備状態」を無視してしまっているケースです。
例えば、まだ血圧測定もおぼつかない新人に対して、先輩が「訪問看護で一番大切なのは、利用者さんやご家族とのコミュニケーションだよ!」と熱く語ったとします。言っていることは間違いなく正論です。しかし、目の前の技術習得で手一杯の新人にとっては、その言葉は響きません。
これは、まだ三輪車のペダルも上手に漕げない子どもに、「信号が赤になったら止まるんだよ」と交通ルールを教えるようなものです。まずはペダルを漕ぐことに集中させてあげなければ、次のステップには進めません。
指導者側が「重要だ」と思っていることと、新人が「今、知りたい」と思っていることには、しばしばギャップがあります。
このギャップを無視して指導しても、新人は情報過多でパンクしてしまい、結局何も身につかないことになりかねません。
【解決のためのヒント】
指導を行う際は、まず新人が今どの段階にいて、何につまずいているのかを正確に把握することが大切です。
- 技術的な課題: 血圧測定ができない、物品の準備に時間がかかる など
- 知識的な課題: 疾患の理解が浅い、観察項目が分からない など
- 精神的な課題: 利用者との会話に緊張する、ミスへの不安が強い など
相手のレディネスを把握した上で、「まずは血圧測定を正確にできるようになろう」「次は物品準備の時間を5分短縮することを目指そう」といったように、具体的で達成可能なスモールステップを設定しましょう。
一つひとつの小さな成功体験を積み重ねることが、新人の自信につながり、次のステップへ進むためのモチベーションとなります。焦らず、相手のペースに合わせて一歩ずつ進んでいくことが、結果的に成長への一番の近道です。

NG例3:先輩ごとに違う「指導内容のバラつき」
先輩ごとにケアの手順や考え方が異なり、新人が板挟みになって混乱してしまうケースもあります。
「A先輩にはこう教わったのに、B先輩には『なんでそんなやり方してるの?』と怒られた…」
これは、新人教育において最も頻繁に起こる問題の一つではないでしょうか。
もちろん、経験豊富な先輩たちのやり方には、それぞれに根拠や工夫があるはずです。多様な視点を学ぶことは、長期的には新人の財産になります。
しかし、まだ物事の良し悪しを判断する基準を持たない新人にとって、指導内容のバラつきは大きなストレスです。「どの先輩の言うことが正しいんだろう?」と、ケアの本質ではなく、先輩の顔色をうかがいながら仕事をせざるを得なくなります。
【解決のためのヒント】
解決のためには、個人の経験則に頼るのではなく、組織として教育内容を標準化することが不可欠です。
- 業務マニュアルの整備: 基本的なケアの手順やルールを明文化し、誰が見ても同じように実践できるようにする。
- 教育プログラム・チェックリストの作成: 新人が習得すべき知識や技術をリスト化し、計画的に教育を進める。指導者全員で進捗状況を共有することで、「どこまで教えたか」のバラつきも防げます。
- 指導者間での定期的な情報共有: 定期的にカンファレンスなどを開き、「今、新人はどの段階か」「どんな課題があるか」「次は何を教えるか」といった情報を指導者チーム全体で共有し、方針を統一します。
もちろん、すべてのケアを画一的にする必要はありません。
しかし、基本となる「型」を組織として共有することで、新人は安心して基礎を学べます。その土台ができて初めて、先輩それぞれの応用的な工夫や考え方を学ぶ余裕が生まれるのです。

訪問看護の新人教育は「教える側」が学ぶことから始まる

今回は、新人教育で陥りがちな3つのNG行動と、その改善ポイントについて解説しました。
- 「なんでなんで攻撃」をやめ、未来志向の問いかけをする
- 新人のレディネス(準備状態)を把握し、スモールステップで教える
- 指導内容を標準化し、チームで教育方針を共有する
これらに共通するのは、「指導者側の視点」から「新人側の視点」へと切り替えることの重要性です。
かつて自分が新人だった頃の気持ちを思い出し、相手が今どんな状況で、何を必要としているのかを想像することが、効果的な指導の第一歩です。
新人教育は、新人を育てるだけでなく、指導者自身がマネジメントやコミュニケーションのスキルを磨き、成長するための絶好の機会でもあります。
今回ご紹介した内容が、皆さんの現場での新人教育をより良いものにするための一助となれば幸いです。
とはいえ、
「頭ではわかっても実際にはうまくいかない」
「うちのステーションの場合はどうしたらいい?」
などの疑問がある管理者の方は少なくないでしょう。
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