【コミュニーケーションに悩む看護管理者へ】チームをまとめる対話のコツ3選を解説!
「最近、チームの雰囲気が良くない…」
「部下が本音で話してくれない」
「良かれと思って指導しても、うまくいかない」
看護師長やリーダーなどの管理職になると、このような悩みを抱える方は少なくありません。プレイヤーとして優秀だった方ほど、管理職としての役割とのギャップに苦しむこともあるでしょう。
実は、これらの悩みの多くは「コミュニケーション」のあり方を見直すことで解決の糸口が見えてきます。
管理者であるあなたのコミュニケーション一つで、チームの雰囲気やパフォーマンスは劇的に変わる可能性があるのです。
この記事では、多くの看護管理者が直面するコミュニケーションの課題を解決し、チーム全体のパフォーマンスを向上させるための具体的な3つのコツをご紹介します。
明日からすぐに実践できる内容です。メンバーとの信頼関係を築き、信頼されるリーダーになりたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
看護管理者にコミュニケーション能力が必要な理由

看護の現場は、多職種が連携し、チームでケアにあたる最前線です。その中で管理者に求められるのは、単なる業務の指示や管理だけではありません。
スタッフ一人ひとりが安心して働け、自発的に行動できるような環境や風土を育むことです。
そして、その土台となるのが、管理者とスタッフとの日々のコミュニケーションです。
管理者のコミュニケーション能力が高いチームでは、
- スタッフが安心して意見を言える(心理的安全性が高い)
- 報告・連絡・相談が活発になる
- インシデントの早期発見や再発防止につながる
- スタッフのモチベーションが向上し、離職率が低下する
といった好循環が生まれます。
反対に、管理者のコミュニケーションに問題があると、チームの雰囲気は悪化します。
その結果、スタッフが萎縮し重要な報告が上がってこなかったり、スタッフの離職が相次いだりする事態を招きかねません。
それほどまでに、管理者のコミュニケーションはチーム全体に大きな影響を与えるのです。

【NG例】信頼を壊す看護管理者のコミュニケーション

具体的なコツをご紹介する前に、まずは多くの管理者が無意識にやってしまいがちな、絶対にやってはいけないコミュニケーションを2つ確認しておきましょう。
1. 過去を責める言動
部下がミスをした時、あなたはどう対応していますか?もちろん、原因を究明し、再発を防止することは重要です。
しかし、その際に「なんでそうなったの?」「なんで確認しなかったの?」と、過去の行動を問い詰めるだけの”なぜなぜ攻撃”になっていないでしょうか。
このようなコミュニケーションは、相手を追い詰めるだけで、何の生産性もありません。言われた側は「責められている」と感じ、萎縮してしまいます。
これを繰り返すと、スタッフはミスを隠すようになったり、困っていても相談しなくなったりする可能性があります。
2. スタッフを見捨てる行為
管理者という立場になると、時にはスタッフの失敗の責任を取る場面も出てきます。
そんな時、スタッフを守らずに責任を押し付けたり、突き放したりする行為は、まさに「はしごを外す」のと同じです。
「それはあなたの責任でしょ」
「私は関係ないから」
などの対応を一度でもされると、スタッフは「この人は信頼できない」「いざという時に守ってくれない」と感じ、二度と心を開いてはくれません。チームの一体感は失われ、組織は崩壊へと向かってしまいます。
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看護管理者が知るべき「チームを育てる対話のコツ3選」

では、具体的にどのようなコミュニケーションを心がければ、チームは良い方向に変わっていくのでしょうか。ここでは、明日からすぐに実践できる3つのコツをご紹介します。
コツ1:目線を過去から未来へ変える
部下から良くない報告を受けた時こそ、管理者の腕の見せ所です。先ほどNG例として挙げた「なぜなぜ攻撃」のように過去を責めるのではなく、「次はどうすればうまくいくか?」という未来志向の対話を心がけましょう。
- (NG) 「なんでこんなことになるまで報告しなかったの?」
- (OK) 「報告してくれてありがとう。どうすればリカバリーできるか、一緒に考えよう」
- (NG) 「どうしてあんなミスをしたんだ?」
- (OK) 「大変だったね。次に同じことが起きないように、どんな対策ができるかな?」
このように、視点を未来に向けるだけで、対話は建設的なものに変わります。部下も「責められる」のではなく「一緒に解決しようとしてくれている」と感じ、安心して次の行動に移ることができるのです。
コツ2:一緒に戦う仲間という意識を持つ
管理者になると、会議や書類仕事が増え、どうしても現場との物理的な距離が生まれがちです。だからこそ、意識的に「私もあなたたちと同じチームで戦う仲間だ」という姿勢を示すことが重要になります。
例えば、
- 現場が忙しい時に「何か手伝えることはある?」と声をかける
- 自分が現場にいなかった日の出来事を「昨日は大変だったみたいだね、ありがとう」と労う
- スタッフの失敗に対して「私の指示も分かりにくかったかもしれない。一緒に謝りに行こう」と責任を共有する姿勢を見せる
このような小さな積み重ねが、「管理者は私たちのことを見てくれている」「私たちは一人じゃない」という安心感と一体感を育みます。
現場と管理職という壁を取り払い、同じ目標に向かう「仲間」としての信頼関係を築きましょう。
コツ3:2つの人格を使い分ける
管理者は、時に厳しい判断を下したり、組織の方針としてスタッフの希望に沿えないことを伝えたりしなければなりません。しかし、それを冷たく突き放すように伝えてしまっては、信頼関係にひびが入ってしまいます。
そこでおすすめしたいのが、「個人としての自分」と「管理者としての自分」という2つの人格を使い分けることです。
例えば、シフトの希望が通らなかったスタッフに説明する場面を考えてみましょう。
「〇〇さんの希望、個人的には何とかしてあげたい気持ちは山々なんだ。ただ、今回はチーム全体のバランスを考えると、このシフトでお願いせざるを得ないんだ。本当に申し訳ないけど、協力してもらえるかな?」
このように、まずは「個人」として相手の気持ちに共感を示します。その上で、「管理者」として組織の決定事項とその理由を丁寧に説明するのです。
このワンクッションがあるだけで、スタッフは「自分の気持ちを理解してくれた上で、やむを得ず判断したんだな」と納得感を得やすくなります。
厳しいことを伝えなければならない時こそ、この「2つの人格」を意識してみてください。

対話のコツをつかみ、頼られる看護管理者になろう!

看護管理者にとって、コミュニケーションはチームをまとめ、より良いケアを提供するための最も重要なスキルです。
今回ご紹介した3つのコツをまとめます。
- 未来志向の対話: ”なぜ”ではなく”どうすれば”を問いかける
- 仲間意識の醸成: ”一緒に戦う”姿勢で心理的な距離を縮める
- 2つの人格の使い分け: ”個人としての共感”と”管理者としての判断”を両立させる
これらは特別な才能ではなく、意識と実践によって誰でも身につけることができるテクニックです。
まずは1つでも構いません。チーム全体をポジティブな方向へと導くために、ぜひ試してみてください。
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