訪問看護の履歴書完全ガイド|項目別書き方とポイント

訪問看護の履歴書で「自己PR欄」は、あなたの人柄や実務対応力を採用担当者に伝える重要な項目です。限られた文字数の中で信頼性や即戦力を効果的に示すには、単なるスキルの羅列ではなく、実体験や将来の貢献意欲を具体的に表現することが鍵となります。
本記事では、訪問看護の現場で評価される自己PRの書き方を3つの視点から解説。利用者様とのコミュニケーションエピソードや判断力を活かした経験談、学習継続の姿勢を通じて、信頼を高める自己PRの構築をサポートします。
訪問看護履歴書作成前に押さえる考え方

訪問看護の履歴書を作成するにあたり、重要なのは書式よりも「現場の視点を理解しているか」です。志望先の業務内容や求められる人物像を具体的に意識したうえで、自己の経験をどう活かせるかを伝える準備が必要です。以下の3点を押さえることで、採用担当者に伝わる履歴書へとつながります。
訪問看護で求められる役割と責任を把握する
訪問看護では、単なる看護技術だけでなく、利用者様やご家族に寄り添う姿勢が重視されます。状況変化への即応力や判断力、丁寧な記録、医師との連携、地域での支援調整など、業務は多岐にわたります。履歴書作成前に、訪問看護師の責任や業務の全体像を理解しておくことで、アピールすべき強みや意識の方向性が明確になります。
履歴書で評価される経験とスキルを整理する
採用側が重視するのは「訪問現場で再現可能なスキル」です。たとえば、病棟での急変対応、退院支援、アセスメント経験、清潔ケア、記録の正確性、コミュニケーション力など、訪問看護に応用可能な経験は具体的に記載しましょう。また、転職理由や過去の実績を職務経歴書と整合させることで、一貫したストーリーが生まれます。
人材紹介サービスが提供する履歴書サポートとは
訪問看護に特化した人材紹介サービスでは、履歴書や職務経歴書の添削支援を行っています。一般的なテンプレートでは伝えきれない訪問看護の現場ニーズに沿った記述方法を提案してもらえるため、初めての転職でも安心です。
担当アドバイザーが求人情報と照らし合わせて修正点をフィードバックしてくれることで、書類通過率が高まり、面接準備にもつながります。
基本情報欄の書き方とマナー
訪問看護の履歴書において、基本情報欄は採用担当者が最初に目にする重要な項目です。誤記や記載漏れがあると印象を損ねる可能性があるため、正確かつ丁寧な記載が求められます。ここでは、基本情報欄に記入すべき項目と、評価を高めるための書き方のポイントを紹介します。
氏名/日付/住所/電話番号の正確な記載方法
氏名はふりがなも忘れずに記入し、読みやすく整った文字で書きましょう。日付は提出日、もしくは郵送する場合は投函予定日を記載します。現住所は住民票記載の内容に合わせ、引越し予定がある場合は備考として明記すると親切です。
電話番号は普段使用している携帯電話番号を記入し、連絡がつきやすいようにしておくことが大切です。メールアドレスはビジネス利用に適したものを選びましょう。
証明写真の選び方と貼付位置
履歴書に貼る証明写真は、撮影から3か月以内のものを使用します。服装はスーツまたは清潔感のある襟付きのシャツを選び、表情は穏やかで信頼感のある印象を意識しましょう。
背景は白や淡い青など無地が理想です。写真の裏に氏名を記載してから、のりでしっかりと貼り付けます。写真は採用者の第一印象を左右するため、可能であれば写真館で撮影するのもおすすめです。
希望職種/雇用形態欄で意思を示すコツ
希望職種や雇用形態の欄では、「訪問看護師(常勤)希望」など、職種・働き方を明確に記載することが大切です。夜勤の可否や勤務可能な曜日・時間帯がある場合は、あらかじめ簡潔に記しておくとミスマッチを防げます。具体性のある記述は、応募者の意志を伝える有効な手段となり、採用側にも誠意が伝わります。
学歴職歴欄で伝えるキャリアの一貫性

履歴書の学歴・職歴欄は、応募者のキャリアの軌跡を伝える重要なパートです。訪問看護への適性や成長意欲、実績を読み取られる部分であるため、形式面だけでなく、書き方の工夫が評価に影響します。ここでは、採用担当者の目に留まりやすく、説得力のある記述のポイントを整理します。
学歴の書式と訪問看護関連研修の記載ポイント
学歴欄は高校卒業から記載し、学校名は略さず正式名称で記入します(例:「○○高等学校 卒業」)。西暦・和暦は履歴書全体で統一し、省略記号は使用しないようにしましょう。
看護系大学や専門学校を卒業している場合は、学科名まで明記すると意欲が伝わりやすくなります。また、訪問看護に関連する研修受講歴がある場合は、履歴書または職務経歴書の欄外や備考欄に「2023年○月 訪問看護に関する○○研修 受講」などと記載することで、学習意欲や実務への関心をアピールできます。
職歴でしっかり書くべき利用者様支援実績
職歴欄には、施設名や配属部署を正式名称で記載し、具体的な支援実績や訪問看護に活かせる経験を簡潔に添えると印象が高まります。たとえば「○○病院 内科病棟にて5年間勤務。慢性疾患や終末期のケア、退院調整業務に従事」など、在宅支援に通じる経験を明記しましょう。
訪問看護経験者であれば、「1日平均5件の訪問を担当」「医療保険と介護保険の併用支援に対応」「後輩指導やマニュアル作成を担当」など、実際の役割と成果を盛り込むことで、即戦力としての評価につながります。
職務経歴書との連動で深掘りを促す方法
履歴書と職務経歴書は別々の書類ですが、内容が矛盾なくつながっていることが重要です。履歴書では要点を絞って職歴の流れを記載し、職務経歴書では各職場での具体的な担当業務・利用者層・成果・工夫などを詳細に記述することで、面接での質問を引き出しやすくなります。
特に訪問看護未経験者は、前職で培ったアセスメント力・コミュニケーション力・急変対応などを、どのように在宅看護に応用できるかを職務経歴書で補完する形が効果的です。
志望動機の書き方と例文集
訪問看護の履歴書において、志望動機は採用担当者が重視する項目です。経験やスキルだけでなく、訪問看護を選んだ理由や将来への姿勢、応募先への共感を含めることで、説得力のある文章になります。以下の3つの視点から、具体的な記載ポイントを解説します。
訪問看護を選んだ理由を具体的に示す
訪問看護の仕事に魅力を感じたきっかけや背景は、志望動機に欠かせない要素です。「一人ひとりに寄り添う看護を実践したい」「退院後の生活支援に関わりたい」など、自身が訪問看護に関心を持つようになった体験を交えて記載すると印象に残りやすくなります。また、「地域の在宅医療に貢献したい」「ご自宅で安心して過ごせる環境を支えたい」といった目的意識を明確にすることで、志望度の高さが伝わります。
<例文>
「病棟での勤務を通じて、退院後の生活支援の必要性を感じ、在宅療養に関わる訪問看護に興味を持ちました。利用者様がご自宅でその人らしく過ごせるよう、看護で支援したいと考えています。」
過去経験との関連性を分かりやすく語る
これまでの勤務経験と訪問看護の業務とを関連付けることで、即戦力としての期待感を高められます。たとえば、急性期や慢性期の病棟経験、退院支援、ターミナルケアなど、訪問看護に通じる要素を整理して伝えると効果的です。未経験であっても「ご家族対応」「多職種との連携」など、在宅での支援に必要な姿勢を示せれば十分アピールできます。
<例文>
「内科病棟で終末期のケアやご家族の精神的サポートに携わった経験から、在宅での支援にも挑戦したいと感じました。病棟で培った観察力や判断力を、訪問看護の現場で活かしたいと考えています。」
事業所理念と自身のビジョンを結び付ける
志望先の特徴や理念を事前に調べ、自分の看護観や将来像と結び付けることで、志望動機に具体性が生まれます。「地域密着型の支援を重視している点に共感した」「教育体制が整っているため、成長したい自分に合っていると感じた」など、事業所を選んだ理由を明確にすることで、なぜ他ではなくこの職場なのかを説明できます。
<例文>
「貴ステーションが掲げる“利用者様とご家族の安心を支える”という理念に共感しました。今後は地域に根差した看護を実践し、信頼される訪問看護師として成長していきたいと考えています。」
自己PR欄で信頼を高めるポイント

訪問看護の履歴書において、自己PR欄は応募者の信頼性や実務適性を伝える重要なパートです。ただ経験を列挙するだけでなく、利用者様との関わりや判断力、継続的な学習姿勢を具体的に表現することで、即戦力としての魅力が高まります。以下では、自己PRで信頼を高めるための3つの視点をご紹介します。
利用者様とのコミュニケーション事例を盛り込む
訪問看護は、利用者様との信頼関係の構築が業務の質を左右する分野です。自己PRでは、単に「コミュニケーションが得意」と記すのではなく、実際の現場でどのような配慮や工夫をしたのかを具体的に記述しましょう。たとえば、言葉数が少ない高齢の利用者様に対して、日々の小さな変化を丁寧に観察し、必要な支援につなげた経験などがあると印象に残りやすくなります。
<例文>
「前職では認知症の利用者様に対し、視線や表情の変化から体調を察し、体位交換のタイミングを工夫することで褥瘡リスクを回避できました。“あなたと話すと安心する”という言葉をいただいたことが、自身の看護観を深めるきっかけとなりました。」
判断力やこれまでの経験を示す具体エピソード
訪問先では一人で状況判断を求められる場面が多く、冷静な対応力が求められます。これまでの経験の中で培った判断力を、エピソードとともに記載することで、採用担当者に安心感を与えることができます。特に、急変時の初動対応や緊急時の報告・連携の実績などは、訪問看護の現場でも即戦力として期待されます。
<例文>
「内科病棟での勤務中、利用者様の顔色の変化にいち早く気づき、主治医への連絡と酸素投与の対応を迅速に行い、重症化を防げた経験があります。訪問看護でも、こうした観察力と判断力を活かし、安心感のある支援に努めたいと考えています。」
学習継続姿勢と将来貢献意欲を伝える
医療制度や在宅ケアの現場は常に変化しており、看護師としての継続的な学びが求められます。自己PRでは、これまでに取り組んできた研修や勉強会の参加歴、今後取得を目指す資格などを交え、成長意欲を明確に示すことが大切です。また、応募先の事業所が大切にしている理念と、自身の将来像を結びつけると、採用後の貢献イメージがより具体的になります。
<例文>
「現在は訪問看護認定看護師の資格取得を目指し、週末にeラーニングを活用して学習を継続しています。貴事業所が掲げる“地域でその人らしく生きる支援”という理念に共感しており、将来的には在宅ケアの質を高める教育担当としても貢献したいと考えています。」
まとめ
訪問看護の自己PR欄では、利用者様との関係構築、的確な判断力、そして学び続ける姿勢が重要な評価ポイントです。事実に基づく具体的な経験と、今後の貢献意欲を丁寧に示すことで、履歴書に深みと信頼性が生まれます。採用担当者の視点を意識した自己PRが、あなたの強みを最大限に伝える武器となるでしょう。
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